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肩に掛かる真っ直ぐな長髪に、あの横顔。

……間違いない、仙兄だ。


『でも、何を……?』


このお店は、女物の小物や小袖、反物を取り扱っているお店だ。
仙兄が使うような男物は置いていないはず。



……まあ、聞けば分かるか!


何かを待っているのか、その場で立ったままの仙兄。
声を掛けようと、私は背後から近づいた。



『おーい!仙兄〜……』


が、私は目に入った光景に思わず立ち止まる。




私が声を掛けたのと同じタイミングで、仙兄の向こうの仕切りから出てきたのは……女の、人?


仙兄は、可愛らしい小袖を着たその女の人に振り返った。


「よく似合うではないか」


仙兄と仲良さげに笑いあう女の人。

しかも、遠目でも分かるくらいとんでもない器量良しだ。


驚きのあまり、二人を思いっきり見てしまう。

男女でお店に来て、彼女を褒める男……逢引きの他に何があるのだろう。


『えっ、仙兄に、こ、恋人……?』


確かに、もういてもおかしくは無い歳だ。


でも、いつから、どこで……?



そんな調子で暫く立ち尽くしていると、反物を彼女に合わせていた仙兄がふとこちらに気づいた。

同時に、隣の女の人も私の方を向く。




「A!お前も買い物か?」

『あ、え?う、うん!』


すぐに駆け寄って来る仙兄、その後ろから小袖を試着していた彼女も歩いて来た。

……何というか、尋ねたい事が多すぎる。


「ところで、何を探してるんだ?」

『あっ、その、小袖を買いに……』



なんだろう、この状況。


よろよろと何歩か後退りすると、後ろの彼女さんと目が合った。

彼女さんは、私に柔らかく微笑む。


わあ、近くで見るとやっぱり美人さんだ……



『せ、仙兄は恋人さんと逢引き中だよね?すっごく綺麗で素敵な方!』

「は?」

『大丈夫、誰にも言わないから!内緒にしておく!じゃ、私は邪魔にならないように……』


小袖なんていくらでも違うお店を探せば良い。
踵を返し、二人に背を向ける。

そのまま早歩きで立ち去ろうとすると、仙兄が待てと私の名前を呼んだ。


「えっと……何を勘違いしているんだ?」

『か、勘違い?』



……私、勘違いなんてしただろうか。

心当たりも無く首を傾げると、仙兄は突然笑い始めた。


『えっ、ちょ、仙兄!?』

「ははっ、すまん、A。この女性は……」

☆→←どれが似合う?の段



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作品ジャンル:恋愛
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海鈴(プロフ) - まみむーさん» わぁあとっても嬉しいです!!頑張ります! (2021年6月23日 22時) (レス) id: 7471f44b15 (このIDを非表示/違反報告)
まみむー(プロフ) - 面白い作品の予感……!更新楽しみにしてます^ ^頑張ってください! (2021年6月23日 21時) (レス) id: 53993a59b7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:海鈴 | 作成日時:2021年6月22日 22時

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