検索窓
今日:10 hit、昨日:1 hit、合計:54,103 hit

どれが似合う?の段 ページ33

『あ、ここだ!』


店先に並ぶ煌びやかで色とりどりの反物の前で、私は足を止める。


布に小袖、それに傘……

シナ先生から頂いた地図を見る限り、この大きな店で間違い無さそうだ。


『ごめんくださーい……』



ここは、忍術学園から少し離れた商業の町。

なぜ事務員である私がこんなところにいるのか、それは遡ること数刻前……











忍術学園に来て数日が過ぎ、仕事にもだいぶ慣れてきた私。

遂に外出許可が降り、早速学園長先生のおつかいの仕事を受け持とうと思ったものの……



「あらまAちゃん、小袖を持っていないの!?」

『はい、この三年はずっと男用の旅装束だったもので……』



あっと驚くシナ先生に、私は苦笑しながら頷いた。



忍術学園では、忍務以外で忍装束で外に出ることは許されない。
一目で学園関係者だと分かってしまうからだ。



そこで、外出着なるものが必要なのだけれど……

そもそも私には外出に行く時に着るものが無かった。



「男用の旅装束って、本当にそれしかないの?」

『はい。女物だと目立ってしまいまして……』

「まあ、そうよね……うーん」



昔、ここにいた頃に着ていたものは勿論もう入らない。
かと言って、事務員になった今再び旅装束を身につけるのも……




「あっ、そうだわ」


暫く考えた後、何か思いついた様にシナ先生がこちらを向いた。



「やっぱり、お店に行って買っちゃいましょ!私のお古も何枚かあげられるけど……おすすめのお店を紹介するから、行ってらっしゃい」

『はい!あ、でもお金は……』

「そんなの、学園長先生が払って下さるに決まってるじゃない!」


気丈に笑うシナ先生。

そうして、私は町に出ることになったのだけれど……












……まさか本当に払って貰えるなんて。

私は改めて、懐に入っている銭を確認する。

なんでも好きな物を買ってこいと渡されたそれは、ずっしりと重い。



店に入ると、着物姿の綺麗な女性がこちらを向いて、お辞儀をした。


「いらっしゃいませ」

『あの……小袖を探しているのですが』



こういう店での買い物はあまり慣れないのか、どうしても硬くなってしまう。


「小袖でしたら、上の階でございます。既製品の他に、ご要望に沿って繕うこともできますが」

『えっと、とりあえず、見てみます』

「承知致しました、こちらへ」


女性に続いて二階へ上がる。




……すると、見覚えのある後ろ姿が目に入る。


『あれは…』

☆→←☆



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (92 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
189人がお気に入り
設定タグ:忍たま乱太郎 , 忍たま , RKRN   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

海鈴(プロフ) - まみむーさん» わぁあとっても嬉しいです!!頑張ります! (2021年6月23日 22時) (レス) id: 7471f44b15 (このIDを非表示/違反報告)
まみむー(プロフ) - 面白い作品の予感……!更新楽しみにしてます^ ^頑張ってください! (2021年6月23日 21時) (レス) id: 53993a59b7 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:海鈴 | 作成日時:2021年6月22日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。