☆ ページ28
『おいしーい!これ、すごくふわふわしてるね!あれ、これも貰っちゃっていいの?』
「勿論!どんどん食べな、A」
お皿いっぱいの、甘味、甘味、甘味。
学級委員長委員会の皆が、わざわざお菓子を出してくれた。
甘いものが大好きな私にとって、この空間はまるで天国。
私の食べっぷりを見て、三郎は目を細める。
「Aは相変わらず甘い物が好きだな……太るぞ?」
『甘味は別腹だもん』
勘ちゃんに勧めてもらったお饅頭を食べてみると、口の中にじんわりと甘味が広がる。
餡子もほろりと溶けておいしい。
「失礼します、お茶をお持ちしました」
「このお皿は下げますね」
学級委員長委員会の一年生の庄左ヱ門君と彦四郎君はとてもしっかりしていて、無くなったお茶を淹れ直し、空の皿を下げてくれた。
「それにしても、Aが忍装束着てるのはなんか新鮮だな」
『そうだね、学園にいたときはずっと小袖だったから』
「懐かしいな、小袖!今度着てみてよ」
こうして、話は盛り上がりお菓子は進み……
・
・
・
……まずい。
まだ二つの委員会しか回れていない。
お菓子がおいしいのと話すのが楽しくて、つい長居してしまった。
もっとゆっくりしていけばいいのにと言う二人に別れを告げ、急いで廊下を進む。
『どうしよ、お菓子食べすぎちゃった……』
「お菓子は別腹じゃないんですかー?」
『うっ…….聞いてたのね』
その後。
私と喜八郎は、猛スピードで委員会を回っていった。
図書委員会に用具委員会、保健委員会、体育委員会、そして生物委員会。
保健委員会にいけば落とし穴に落ちているし、体育委員会は皆いけどんマラソンでヘトヘト。
生物委員会では、伊賀崎君のジュンコちゃんを探し回った。
用具委員会と図書委員会は早めに渡せたけれど……
『委員会って……なんていうか、個性強いんだね』
「そうですね」
なんというか、どこの委員会も委員長の個性が色濃く出過ぎているような気が……
そして、残る委員会はあと二つ。
兵助のいる火薬委員会と、仙兄の作法委員会だ。
『喜八郎は作法委員会だから、最後の方が良いかな?』
「うーん、別にどっちでも……あ、あれは」
何かに気づいたのか喜八郎は、目を凝らす。
目線の先を追うと、大きな樽を持って歩いている五年生。
『あ、兵助だ』
一体、食堂に入って何をするのだろう。
『行こう!』
「なんか僕、いやな予感が……」
189人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「忍たま」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
海鈴(プロフ) - まみむーさん» わぁあとっても嬉しいです!!頑張ります! (2021年6月23日 22時) (レス) id: 7471f44b15 (このIDを非表示/違反報告)
まみむー(プロフ) - 面白い作品の予感……!更新楽しみにしてます^ ^頑張ってください! (2021年6月23日 21時) (レス) id: 53993a59b7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:海鈴 | 作成日時:2021年6月22日 22時