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「迷惑なんかじゃない。君は学園の為に仕事をしてくれてたんだから」

『……!』


Aちゃんが、大きく目を見開く。

しかしすぐにその表情は陰り、彼女は下を向いて首を振った。


『でも、私は……自分の管理も出来てなくて』


……ああ。

この子はどうして、自分を責めるんだろう。



"伊作くん、私、最初からずっと間違ってた"


また、頭の中で彼女の声が響く_



「違うよ」

『え……?』



僕はAちゃんの言葉が終わる前に、首を横に振った。

とても聞いてられなかった、もうそんなことは聞きたくなかった。


不思議そうな表情を浮かべるAちゃんに、僕は平静を装って口を開く。


「ただ、ひとつだけ約束してほしいな……どうか、無理をしないでほしい」

『伊作さん……』


彼女は驚いているのか、ぱちぱちと瞬きをした。

僕はゆっくりと言葉を続ける。


「いいかい?無理をすることは身体にも良くないし、それで仕事が出来なくなったらどうしようもないだろう?」

『うう、その通りです……』


しょんぼりとするAちゃん。

本当はここまでにしてあげたいけど、あとひとつ言わなければならないことがある。


「あと、謝らないで。僕も、きっと君を助けた乱太郎達もお礼を言ってもらえた方が嬉しいし、それに、君は……」


あの人と同じで、かなり脆いようだから

……と、危うくそう言いかけて、口を噤む。


『君は……?』

「頑張り屋だからね」

『……ふふ、ありがとうございます』


……よかった。

嬉しそうに笑うAちゃんに、僕はほっと胸を撫で下ろす。

と同時に、「起きたら知らせる」という乱太郎達との約束を思い出して、僕は立ち上がった。


「乱太郎達を呼んでくる。あ、乱太郎達っていうのは君を助けてくれた一年生で……皆、良い子なんだ」

『は、はい!』


頷いたAちゃんに、もう一度微笑みかける。

少し辺りを見回してから、僕は部屋を出た。



.



.



.

No side


「やはり、納得いかない。なぜ天女を閉じ込めておかないのだ」


夕陽の差す校庭、遠くの校舎を眺めながら、一人の男がぽつりと呟く。

その男の中にあるのは、最早天女への恨みでしかなかった。



「天女が来なければ、天女さえいなければ……私は……私達は」


楽しかった頃を思い出してしまい、男は乱暴に右頬の傷跡を引っ掻く。

今もピリピリと伝わるその痛みこそ、その男の心、そのものだった。

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海鈴(プロフ) - 麗羅さん» わぁあありがとうございます!性格についてはかなり考えたので、そう言って頂けて嬉しいです。頑張ります! (2022年1月28日 18時) (レス) id: 7471f44b15 (このIDを非表示/違反報告)
麗羅(プロフ) - コメント失礼します!すごく面白いです!夢主ちゃんが剣道が得意で明るい性格っていうのがすごく好きです!更新楽しみにしています! (2022年1月27日 22時) (レス) @page2 id: 90634de060 (このIDを非表示/違反報告)
海鈴(プロフ) - みこちさん» ありがとうございます! (2022年1月14日 22時) (レス) id: 7471f44b15 (このIDを非表示/違反報告)
みこち(プロフ) - 海鈴さん» もしも、この作品にゲストが出るとしたら、雑渡さんか兵庫水軍の皆さんが現れてくださったら…なんて考えてしまいます。応援します! (2022年1月13日 12時) (レス) id: e0b3c2b120 (このIDを非表示/違反報告)
みこち(プロフ) - 海鈴さん» 後も一つ、犬夜叉と鬼狩りという奴も在りますよ。出来ますれば、コメントを頂けたら嬉しいです。どんなコメントでも大歓迎です。 (2022年1月11日 21時) (レス) id: e0b3c2b120 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:海鈴 | 作成日時:2022年1月9日 22時

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