モノクロな世界を、君と。2

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海ちゃんは、芸能人と付き合うことの苦労を教えてくれた。


「上層部の中に、今回の件を利用して廉を売り出そうとしてる人がいるっぽいんだよね。」


廉は今が旬の、スーパーアイドル。

今回の件は根拠がないからこそ、広めて利用しようとしてたみたい。

犯罪に巻き込まれた自分のファンを助けるヒーローに仕立てあげて、それがキッカケで廉を知る。

それが狙いなのかな、きっと。


「でも、その相手がなんでAちゃんなん？」

「犯人と知り合いらしいんだよね。高山が犯罪者なことを利用して、“ストーカーされたファンを守る永瀬廉”がテレビに出る必要があった。」


彼女とかってことは上にはどうでも良くて、むしろ証拠がないからこそ都合がいい。

匂わせも何もないファンを巻き込んだ高山と、信じ込んでアンチするファン。

そして、名前を使われた可哀想な永瀬廉。

証拠がなさすぎて廉も私も巻き込まれただけっていうことに繋がって、廉がニュースに出たことでオタクの嗅ぎ癖にも釘が刺せる。


「確かに都合がいいのかもしれない。…だけど、ジャニーズには、気をつけてね。」


海ちゃんは暗い顔で、私にそう忠告してくれた。

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