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ー??年前ー


また退屈な1日が始まった

起きて食べて眠るだけの日々に誰も干渉してこない

それはそれで静かで良いけど、どこか物足りなさもあった

こんな私がなぜ生かされているのか、そんな自問自答ばかり繰り返して




窓の外を見ては、また溜息をついた



窓に映る自分の顔なんかもう見飽きてしまった

1人じゃ、病院の外にも出れない

誰もが腫れ物に触るように接してきて、またイライラが募っていく

私、そんなに素っ気なくて無愛想なのか

笑え、と言われてもどうやって笑えば良いのか分からない

もう何年も笑ってなんかいない




月日が流れた

クリスマスが終わった数日後のこと



当然、私なんかにクリスマスプレゼントなんて無い

少しでも期待していた私が馬鹿だった


そうやって自分を嘲笑っていた時に、窓を叩く音がした



見てみると、そこにはサンタクロースの格好をした黒い何かがフヨフヨ浮いていた

手には赤いリボンがラッピングされたプレゼントを持っている


うまく足に力が入らず、ゆっくり窓に向かって歩く私をそれは待っていた

鍵を開けると、すぐに入ってきた


「少し遅れたが、メリークリスマス」


そう言って、私にプレゼントをくれた

開けてみると中から赤いモコモコしたのが出てきた


A「これって…?」


「マフラーだ」


A「でも、私はここから…」


「だから、我と一緒に暮らさないか?ここにいても退屈だろう?」


このままここにいるか

何も知らないこの人についていくか


そんなの、もう答えは出ている


A「うん。行く」


そう言うと、その人は私にマフラーを巻いてくれた


「絶対暴れるなよ」


私を抱きかかえて、窓から飛び出した

薄いパジャマは寒かったけど、この人がくれたマフラーは温かくて顔を埋めた


これからどんなことが待っているかは分からない

ちょっと不安だけど、でもこの人と一緒にいれば幸せになれるかもしれない




そんな気がした

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作者名:幻想 | 作成日時:2018年3月3日 10時

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