【wrwrd!】Eid (ページ7)

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「ねぇ、グルッペンいよいよ明日ね…」

「あぁ、そうだな」

両親は一度たりとも俺を自由にさせてくれなかった

いつだって俺の歩く道を決めるのは両親だ

俺の意思など関係なく、いつも自分達の都合のいい様に物事を突き進めていた

だが少なくとも育ててくれた両親に感謝してはいるのだ

だから婚約の話も受け入れた

「最近の流行りは白だけれど、やっぱりグルッペンには黒が似合うわ」

「そうか？」

「ええ…」

「ならお前には白が似合うな」

気がつけば、無意識のうちにそう口を開いていた。婚約者は少し驚いたものの、直ぐに顔を赤くし、ありがとうと一言告げ、柔らかな笑みを浮かべた

彼女との仲も特別悪くはなく、むしろ両親といる時よりも心が休まったような気持ちになった

彼女なら俺を愛してくれる…

そんな安心感が俺を包み込んでくれた

そう思った時だった

“ グルッペン ”

ふと、誰かが俺を呼んでいるような気がした

「どうかしたの？」

「いや、何でもない…気にするな」

「そう？ならいいのだけれど」

不思議そうに様子を伺ってくる婚約者に対し、俺はそう言いながら微笑んだ

明日になればきっと全てが上手くいくはずだ

そう信じたい…