【wrwrd!】表裏一体 (ページ6)

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「それにしても…」

ゾムはうーんと唸りながら、私をジロジロ見る

「どうかした？」
「…自分でやっといてアレやけど、ええ格好しとるなぁ、あかん興奮してきた」

そういいながらゾムは私に近づいてくる…

「ゾム最低！ちょっと！は、早く縄を解きなさいよ！ねえ！？」
「ええやん、そういうの嫌いやないで？」
「アンタが良くても私は駄目なの！」

男女二人、小屋という狭いこの空間、そして夜、何も起きないはずが無く…

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何やかんやあったけど無事朝がやって来た

「ゾムお前いつ帰ってくるん？」
「まぁまぁそんな焦らんといてや」

私たちこんな所で道草食ってていいんですかねぇ…
ゾムが本部？の方に通信している間にここを出発する準備を済ます。ちなみにこの小屋は彼の仮拠点だそうだ。遠出をする時の寝泊まり用に建てたものらしい。それじゃあゾムがいない間は誰かに乗っ取られるのでは？と思ったが帰還する時に取り壊すそうだ。せっかく建てたのに勿体無い気もするが、あんまり痕跡を残すと後で大変なことになる。

「グルッペンがお土産楽しみに待っとるんや」
「んふふグルッペンが？きっと気に入るわ」
「はぁ、とにかく早く帰ってこいよ」
「おけおけ今からそっちに向かうから待っといてや」

じゃあなと、ゾムが通信を切る。
どうやら話は済んだようだ

「随分話してたみたいね」
「まぁな…ちょっと色々あってな、んじゃそろそろ出発するか」

外へ出てたらあっという間に小屋は崩れ、瓦礫となった。

「ここからどれくらいで本部に着く？」
「あー、大体半日はかかると思う」
「そ、じゃあ日が暮れないうちにさっさと行きましょ」

私には体力を回復する手段があるので疲労には滅法強い。ゾムはまぁ鍛えているからなんとかなるでしょうね。しばらく森を歩いているとゾムが話しかけてきた

「なぁA」
「何かしら？」
「あんたって元々は軍出身だったん？」
「えっと、軍に入っていたわけじゃないけど…私の訓練をしてくれたのは元軍人の人だったの」

おじさん厳しかったけどいい人だったなぁ
私には生きる術を教えてくれたあの人にはとても感謝している。あの人がいなかったら今頃どこかのたれ死んでた。

「フーン、てっきり入っとるんかと…」
「ゾムはどうなの？」

ゾムは一瞬うーんと唸ってから口を開いた

「俺はまぁ、親父が軍出身だったんよ」

子供頃は親父みたいな強い軍人になりたいって思っとった