【2j3j】短編集 (ページ7)

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葛葉、さんは私を持ち直し、夜の世界を跳ぶ。

私は、ﾀﾋんで……ない、？

『で、でも…私！ビルから、飛び…降りて、』

「…俺、お前のことﾀﾋなせられねーんだわ、」

『な、なんで…！私は、もう…この世に、何の未練も……残ってないの』

「…自分勝手でわりぃけどよ、俺はお前に未練があんだわ」

『……ぇ、？』

葛葉、さんが…私に？

私は涙で滲んだ視界を晴らして葛葉…さんの話を聞く。

「お前、覚えてねぇのかよ……

ずっと、約束を覚えてたのは……俺だけかよ、」

『ご、ごめんなさい、私…両親が亡くなってからの記憶が曖昧で…』

「しょうがねぇ…お前が、Aが思い出すまで話してやんよ」

そう言い葛葉、さんは近くのビルの上に私をおろし、その場に座る。

葛葉、さんが話してくれたことを要約すると、

私は幼い頃葛葉、さんと友達…というか親友でほぼ毎日遊んでいたそうだが、ある日葛葉、さんは親の事情で離れることになり…私たちは疎遠になったらしい。

『葛葉…さんは、私のことなんて呼んでたんですか…？』

「ふつーにAって呼んでたけど…？」

『なんか葛葉、さんって呼ぶのに違和感を感じて…』

「ま、Aずっとくーちゃんって呼んでたしな、どんな呼び方でもいいぜ」

この歳になってくーちゃんとか…無理！？！？

『じゃ、葛葉……で、』

「ん、で…これからAはどうすんだ…」

『えっと、どうしましょう…？』

「いや、別にAの判断だけど、俺は生きててもらわないといけないんで」

私ははっとなりある大事なことを思い出す。

『あ、そう…約束ってなんだったんですか？』

「えーーーーー、言ったらﾀﾋなないでくれる…？」

『ん゛〜〜……ま、葛葉は私をﾀﾋなせてくれないわけだし、別にいいですよ』

「俺らに約束はな………」

私は葛葉のことをじっと見つめる。

きっと、私にとって葛葉は生きる意味になってくれるんだ。

葛葉の顔が月の逆光で暗くなる。

「結婚すること」

結婚………

《ね、くーちゃん！あたしとやくそくしない？》

〈…ん、なあに？〉

《おとなになったら…あたしと、けっこんしようね！》

私は、彼から逃げられない。