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『お疲れ様でした〜』
今日も今日とて撮影が終わる。
俺は控え室に向かうため廊下を歩いていた。
「なー今日なんか様子おかしくね？何かあった？」
『んー？…いや、別に。』
「ふーーん、」
葛葉が言った通り僕の頭はピアノのことでいっぱいだ。
でも、そんなこと言ったら馬鹿にされるに違いないし、言うわけがない。
なんて、考えていると、
「あゃっ…」
『あ、ごめん…』
ぼーっとしていたら前から来た人に気づかず転ばせてしまった。
「す、すす……すみませんっ！！」
目の前の人はテンパりながらペコペコとお辞儀をする。
僕は固まってしまった。
綺麗な黒髪、動きやすそうな白色のパーカー………
あの時、ピアノを弾いていた、人だ
僕がそのことを言う前に彼女が口を開いた
「も、もしかして…葛葉先輩と叶先輩で…すか、？」
『え……』
「そうだけど、」
「あ、えっと、新人のVです！よろしくお願いします。」
「あ、君がVさんね、よろしくー」
『……Vさんね、よろしく』
「よろしくお願いします！」
そう言い彼女は廊下を歩いていく。
「叶、雨降ってるけど電車大丈夫か？」
『うん、ちょっと用事あるから先帰ってて』
「…ん、わかった、きーつけろよ」
葛葉と別れる。僕はVさんのことを待つ。
「……ありがとうございました」
扉の奥からVさんの声が聞こえる。
そして、自動ドアが開く。
「あれ、叶先輩…！こんなところで、何かあったんですか？」
『ううん、君のこと待ってた』
「えっ……と、何かありましたか、？」
Vさんは、おどおどときいてくる。
『今日さ、駅のホームにあるストリートピアノ、弾いてなかった？』
「あ、はい、暇があったので弾いてみました……もしかして、聞いてくださってましたか？」
『うん、凄かった……』
「それが、どうかしましたか？」
『君のピアノの音色に、一目惚れしちゃったからさ、今度また弾いてくれないかな？』
「ひ…一目惚れ…！？あ、あの叶さんが、私のピアノに……」
『うん、だめかな…？』
「ももも、勿論…です！」
僕たちを結んだのはあの綺麗な音色
夜闇に溶けた2人 ． kzh→←響く音色と君の色 ． kne
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作者名：おあ | 作成日時：2024年3月2日 19時
