【アイナナ×ブラコン】夕影の唄第3章 (ページ35)

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「話すのが遅くなったけどさ、夕陽はミズホリのボーカルとギターのメンバーとして在籍してた訳ですよ」

「じゃあ…なんで、彼等と一緒にアメリカにいなかったんですか？」

「…色々あったんだよ」

『諸事情』だと夕陽は言っていた。俺もよくわからないが、きっとあのキョーダイが関係しているんだと思う。

…そんなことソウにはまだ言えないが。

「まぁ、そんなミズホリファンの壮吾クンに朗報です」

「…何ですか」

「今日のキミと愛なNight！、ゲストはミズホリです」

「ーーーえ⁉」

ニヤリと笑いながら、呆然とするソウに火原さんからのメールを見せた。

「(んで、彼等と会った訳ですが)」

いざ本人達を目の前にすると、ソウはやはりカチコチに固まってしまい、結局ほとんど話しかけきれていない。

今朝の勢いは何だったのだろうか。思わず疑ってしまうくらい大人しくなってしまっている。

ユウを支えると名乗り出た時は、ある意味強者だった。その後は最初の状態に戻ってしまうが。

「(夕陽、なんだけどなぁ…)」

キャラを作っているから仕方ないと思うが、俺からしたらあの優男のユウは夕陽にしか見えない。

だが、大ファンのソウからすれば別人のように見えるのだろう。その切り替えの早さは、流石だとしか言えない。