【アイナナ×ブラコン】夕影の唄第3章 (ページ32)

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story17「ファンの特徴」side2 ページ32

「好きです！」

顔をリンゴみたいに真っ赤にさせたソウに、俺は思わず目を見開いた。

その先には、テレビには出せないくらいとぼけた顔のユウ。

「おいおい…俺がいない間に何があったんだよ」

状況を把握してない速水さんの為に、一から話そうと思う。

事の始まりは収録後ーーキミと愛なNight！の後の話だ。

「お疲れ様でしたー！いやーやっぱりミズホリはカッコいいっすね！」

「ありがとう。アイドルの君達にそんな事を言われると、少し照れるなぁ」

三月にそう言われ、照れ臭そうに笑う木野谷さん。
だが、その表情には何処か疲れが含まれていた。

Ms.hollyが日本でデビューしてまだ3ヶ月しか経っていないというのに、ミズホリをテレビで見ないことは一度もない。

それぐらい彼等が世間から注目を集めているということだが、言い方を変えれば殆どプライベートの時間など存在していないということだ。

夕陽に聞いた話だが、この後にもまだ収録は残っているらしく、俺達との宴会以来休む暇もない程あっちこっちに引っ張りだこらしい。

「あー疲れた…シュウ、次の予定は？」

「◯△スタジオでお笑いの2時間特番のゲストだな」

「マジかよ…そろそろ3徹目なんだけど」

フワァと大きく口を開けて欠伸をしながら、レオさんはそう言った。

きっと目の下にはクマが濃く刻まれているのだろう。今はメイクで上手く隠されているが。