【アイナナ×ブラコン】夕影の唄第3章 (ページ13)

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「ははは…夕陽も大変ですね」

「アイツは人に好かれやすい体質だからな」

もう何本目かわからないビールを開けながら、速水さんは言った。

学生の頃、大人になったら一緒に酒を飲みに行きたいって約束してた事が、まさかこんな風に叶うとは。

「(しかし…いきなりのアレはビビったなぁ…)」

それは早朝のこと。気持ちよく眠っていた俺は、電話のコール音で無理矢理起こされた。

「ん…？朝からどうしたよ夕陽」

【よぉ、大和】

「…速水さん⁉」

電話の向こうから聞こえたのは夕陽の声ではなく、懐かしい先輩の声。

いつの間に帰ってきていたのか…

「ど、どうしたんですか？と言うか日本にはいつ帰ってきて来たんですか⁉」

【あー…一気に喋るな。電話で説明するのも面倒いから、今日の夜に今から言う所に来い。】

そこで話してやる。そう言った速水先輩だが、起きたばかりの頭ではまだ内容を理解できていない。

【あ、そういやお前なんかのアイドルのリーダーやってるんだってな。そいつらも連れて来ていいぞ。】

【そーいうわけで、よろしくな。つまみとビール、忘れるなよ】

そう告げると速水さんは電話を切った。

「な、何だよいきなり…」

それで他のメンバーにも事情を話すと、全員一致で「行く」という答えだった。仕事があると言っていた万理さんとマネージャーは残念ながら来れなかったが。

まぁこれからお世話にもなる筈だし、別に行くことは構わないんだけど、

「もう二度と朝からあんな嵐みたいな電話はやめて下さい」

「おー気をつける」

…絶対反省してないなこの人。