～イナイレ～“想いを遠く”【ＳＥＴＳＵＮＡ】“響かせて…” (ページ6)

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2話　春奈視点ページ6

翌朝。時計は朝の八時半を指している。普段なら完全な遅刻、だが今私は不登校だ。学校に行く気がしない。

とりあえず自室内の台所に行って軽い軽食を作る。

スクランブルエッグとトースト、野菜スープだ。

作りたてのおいしそうな香りが漂う。

春「…いただきます。」

さくっとトーストをかじる。なかなかおいしい。

その後も黙々と朝ご飯を食べ終わり、歯磨きをする。

全てぼーっと、何も考えないで、しかしふとしたしぐさから思い出す、奴らのこと、彼のこと。

…いつの間にか私はジャージを着て窓から飛び出していた。

行く先、裏山。

怖いことがあるといつもそこに行く。

全力で駆け出すのだ。心を隠して。ただ、がむしゃらに。

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春「…ふう。」

私は裏山にたどり着いた。汗がにじむ首筋をそよ風が吹き抜けていく。

ここから見る風景は稲妻町であって違う感覚になる。

ほら、雷門中があんなに小さく見える。

この裏山、雷門中とかなり近い。…ほら、生徒たちの声も聞こえる。

…稲妻町に背を向け、鉄塔の梯子に手をかける。

さらに高いところを目指して。

その時だった。掴んだ手が滑り、一気にバランスを崩してしまった。

堕ちる、堕ちる。

嗚呼、私死ぬんだ…

しかし私は死ななかった。

私が落ちたところには木があり、死ななかった。

春「いてて…危なかった…。」

木からするすると降りると、視線に布の塊が移った。

ほんの少しだが動いているのが見える。

春「…?(何だろ…)」

野良猫かなんかがくるまっているのだろうか。

私は近くへ行き、その布をはいでみた。

その瞬間私は驚愕した。

深緑の髪、抜けるように白い肌、長い睫・・・

彼は…

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私は一目ぼれした人、ミストレーネだ。