～イナイレ～“想いを遠く”【ＳＥＴＳＵＮＡ】“響かせて…” (ページ2)

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プロローグ　春奈視点ページ2

～現在、稲妻町、夜～

謎の最強軍団、オーガと戦ってから一週間ほどたった。

皆口々に『勝った』、とか言ってたけど私、音無春奈には忘れられない人
がいた。ミストレ…って名前だっけ。

大きな瞳に真っ白な肌。深緑の髪を三つ編みにしていて、女子の私でも嫉妬してしまうほどの美しさだった。

私は彼に一目ぼれしてしまった。

じーっと見てると彼が足を押えてしゃがんでいた。試合中に足を痛めてしまったようだ。

私は皆の制止を振り切り彼に駆け寄り、けがの手当てを始めた。

彼はギョッとしていたが、おとなしく手当を受けていた。

途中、雷門ベンチから悪口の様なものが聞こえて傷ついたけど別に気にしなかった…そのあとお兄ちゃんが粛清してた。

手当が終わって立とうとした時、彼と目があった。忘れられないような、吸い込まれそうな瞳。

手当が終わってからマネージャーらしき子が立っていることに気が付いた。黄緑かかった水色の髪に少し濃い空色の瞳。彼女は…14ぐらいで、軍服ではない、薄紫のポップ系で無地のワンピースに紺色のうさ耳が付いたパーカを羽織ってた。手には黒光りしている謎の筒。

『…えと、あのっ、ミストレさんの手当てをしてくれてありがとうございます…っ！』

決して大きな声ではなかったが聞いてて心地よい神秘的な声だった。

「ぁぁ、ハイ…。」

*

*

*

窓の明かりが膝にあたる。

まだ君のこと、思い出せる。

あの瞳の持ち主を…。

…今日はもう寝よう、気持ちがいっぱいで胸が詰まる。

こんな状態で外に出たくない。