い ち ご の 王 子 様 2 n d 【すとぷり】

いちごがななじゅうきゅう(ころんside) ページ45

初めてAと会ってから結構経ったなー。



あいつとの思い出は全部、僕の宝物で、


些細なことでも、あいつが覚えてなくても、


全部、僕にとっては大切なもので。





Aと過ごしてくうちに、

僕はAのいない生活があることが

こんなに苦しくなっていたみたい。




Aの笑顔も怒った顔も、

真剣な顔も、ふざけた変顔も、


全部全部、大切なんだ。




でも、僕はAの泣き顔だけは見たことがなかった。



僕の前で泣くと屈辱だなんて言ってたなあいつ。



ほんと失礼すぎ。

僕のが先輩だよ？




あー、もう、

好きなのに好きって言えない自分が嫌だし、

頼ってほしいのに素直に言えない自分が嫌。



Aの前で無駄に意地張って強がる自分が嫌。


全部、受け止めてくれるAに甘える自分が嫌。




あいつといると、自分が嫌いになっていく。


こんなこと言ったら、



『僕はころん先輩らしくていいと思うけど？』



あいつは絶対にそう言う。





はぁ…

気づかないうちにこんなに惹かれてて…


僕の落し物、デカすぎでしょ




"僕らが途中で落としたものは
とても大きなものなんです
だから、それを見つけないと僕らは立ち上がれません。

ちゃんと拾って帰ってくるから
それまで待ってて。

拾いに行くから、待ってろよ"



ほかのメンバーより長いけど、

あいつがこのとぅいーとを見るって信じてるから、



待ってろよ。絶対、拾ってやるから。

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