彼と一緒に。【鈴木達央】

28話 ページ32

その後、5人で佳正くんのケーキを食べると、看護師さんが面談の迎えにきてくださった。
「きーちゃんとなっちゃんはどうされますか？」
「達央さんとAちゃんが良ければ、2人のこと見てるよ。久々に会えて嬉しいし。」
「ゆずなもよしくんと遊びたい！」
「ゆずきも！」
「佳正、お前仕事とか平気なのか？」
「はい、今日から明日の午前中まではオフなんで。」
「じゃあ、佳正くん、悪いけどお願いできるかな？」
「もちろん。」


お言葉に甘えてツインズを佳正くんに任せ、私たちは面談へと向かった。

「「失礼します。」」
「お忙しい中、ありがとうございます。本日は、なっちゃんの検査結果についてお話しさせていただきたいと思います。」
「よろしくお願いします。」
達央は、真剣な眼差しで主治医の話を聞いていた。
「早速ですが、昨日行った脳波検査の結果がこちらです。いくつか特徴的な棘型の波形がみられています。昨日お母様からお聞きした日頃の状態と搬送時の状況から考えて、“レノックス・ガストー症候群”と呼ばれる難治性てんかんだと思われます。発作型は、現在確認されるものが、欠伸発作・脱力発作・ミオクロニー発作の3種類です。この疾患は、複数の発作型が出るのが特徴でPVLを持つ子にはウェスト症候群に次いで多いと言われています。抗てんかん剤による治療を行なっていくことになりますが、複数の薬を併用するケースが多いので、昨日お母様にお話しした通り、しばらくは入院しての薬の調整を行なっていこうと考えております。
てんかんに関しては以上なのですが、何かご質問等はございますか。」
「いえ、覚悟はできていたので私からは特に。達央は？」
「治療の件は、先生にお任せすれば大丈夫だと思っているのでいいのですが…」
達央の表情には、何か引っかかりがあるように見えた。

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