もうひとつの夢見草ー山崎大輝に妹がいてー［山崎大輝］［ツキステ。］ (ページ6)

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5話「顔合わせ①」ページ6

お兄ちゃんとカフェを出て、顔合わせと簡単な初稽古へ向けて会場へと向かった。

「おはようございまーす。」
「…おはようございます。」
まだ時間があったため、キャストはそんなにいなかった中、
「おお、大輝。久しぶり。…て、咲輝ちゃん…？」
「瑠尉くん、お久しぶりです。またよろしくです。」
「あ、瑠尉先生。こんにちは。」
そこにすでに到着していたのは、Six Gravity 如月恋役の横尾瑠尉さん。
私が心臓の治療を終えて、お兄ちゃんの後を追うように役者さんを目指し始めた頃、お兄ちゃんが仕事でダンスをする機会があると言っていたのもきっかけとなってダンスを習おうとして見つけたダンススタジオの先生が、瑠尉先生だった。

「まさかとは思ってたけど、卯月桜(サクラ)役って咲輝ちゃん？っていうか、どことなく似てるけど、咲輝ちゃんって大輝の妹ちゃん？」
「あ、はい。瑠尉先生すみません。言えてなくて。」
「というか、僕的には瑠尉くんのスタジオに咲輝が通ってたことにびっくりというか、瑠尉くんから聞いたことないなって思ってたけど兄妹って気づいてなかったんですね。」
「だって、大輝の実家静岡でしょ？わざわざ都内の俺のスタジオに静岡の学生の子来るなんて思わないし、そんな歳離れてると思わなかったし。しかもさ、大輝さ妹ちゃんは双子じゃなかった？」
「そうですよ。咲輝は末っ子で、双子の姉います。えーっと…これこの間僕が静岡帰った時の3人で撮った写真です。」
お兄ちゃんは、携帯をささっといじると、この間唯輝と私の誕生祝いに静岡に帰って2泊ぐらい泊まっていった時に3人で出かけた先で撮った写真を見せた。
「おお、そっくり。そういえば、車椅子のお姉ちゃんいるって咲輝ちゃん言ってたことあったね。唯輝ちゃん…だっけ？」
「あ、はい。そうです。」
「まさか、大輝の妹だとは思ってなかったわ。でも、顔立ちとか似てるし。笑ったとことかなんかすっごい綺麗な顔立ちで似てる。それに名前も3人とも『輝』って字入ってるんだ。みんないい名前。」
「なんか瑠尉くん、変。僕にはそんなこと絶対言わないのに。」
「だーって、大輝より咲輝ちゃんのがかわいいもん(笑)」