かわちい!2 ページ3
コンサートのステージは、俺たちにとっても夢の時間だ。
いつからか、「夢を見せる」という感覚から、むしろ自分たちが夢を見させてもらってるのかもしれない、という思いが強くなっていった。
もしかしたら、コロナがあって、ファンのみんなの前でパフォーマンスする機会がぐっと減ったから、気付けたのかもしれない。ぼんやり物思いにふける時間もあったから、いろんなことを考えて、改めて自分の帰ってきたいのは「ここだ」と思えた。
自分が好きだと思うJUMPを思いっきり表現して、ファンのみんなとももっと好きを共有したい!一緒に楽しみたい!そんな気持ちを満タンにして、どのステージにも立てるようになった。
これまでも、この仕事を通してたくさんの幸せを味わわせてもらったけど、今まさにどんどん更新している。
自分たちのパフォーマンスにファンの方々が喜んでくれるのは、最高にうれしい。あとは、メンバーとの一体感を感じられることも、楽しくて仕方ない。それが、ツアーの回数の分、積み重なって、どんどん増していく感覚。
知念のかわいさにデレデレとゆるむ表情筋と反比例して、俺の決意は固まっていく。
事務所のことが、いろいろと問題になっているけれど、俺は絶対にこの場所を守っていく。いつかの取材のときにも言ったように、ちいはJUMPがないとダメな子だから。
気付けば隣にもう一人、知念のかわいさにやられているわれらが最年長。
数瞬前までクールにキメてたはずなのに、かわいい末っ子を前に、目尻がふにゃふにゃに下がりきって目がなくなっている。知念のソロを聞きながら、藪君とすれ違いざまに目が合って、お互いに小さく笑った。藪君も、きっと同じ気持ちでいてくれているに違いない。
ますます気持ちは強くなる。
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作者名:misto | 作成日時:2023年10月30日 20時