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染まれ3(ar) ページ14

そこからは、テンポよく肉を焼きながら、より映画を楽しめるように予備知識を少し入れておく。
「もう、大貴、そんなに慌てないで。今が楽しいから楽しもう。」
拗ねたように知念に言われて、急かしすぎていたことを自覚し、いかんいかんと反省する。ここを出なくちゃいけない時間だけ、確認して、それまでは知念との焼肉タイムを堪能することに専念した。もちろん、映画のプレゼンも盛り込みながら。


 そんなこんなで、無事映画間に入ることができた。ポップコーンはいらないとのことだったので、飲み物だけ買って入る。(いうまでもないだろうが、ここもご馳走させていただいた。)

「その席、見にくくない?こっちと変わる?」
「んー、大丈夫。」
深夜帯だったので、館内はわりと空いていた。後ろの、はじの方の席に腰掛けると、すぐにcmが流れ出す。メンバーや交友のある俳優の出演作もいくつか流れ、その度にこそこそと知念と顔を見合わせながら、面白そうだね、今度はこういう役なんだね、と短い会話を交わす。こういうの、いいよなぁー。

 あかりが消えて、恒例の上映中のマナーについてのアニメが流れ、いよいよ始まる。
 ちらりと隣を盗み見ると、手を腹の前で組んで、足を組んで、リラックスした姿勢で画面を見上げていた。
 楽しんでくれるといいなぁ。好きになってくれるといいなぁ。知念の心のまだ真っ白な部分を、俺の色に染めあげたい。
 そんな期待と独占欲を胸に、俺も画面に目線を上げる。


 年が明けて2023年。ライブMCでこの話をする。
光君の
「俺ら、初デートの話聞かされてる?」
という感想は、満更でもなく、初デートじゃなくて2022年のデート納めなんだよこれが、とついついニヤつきながら心の中で訂正する。
光君のつっこみに、知念が照れ隠しに付け加えれば
「彼女の愚痴聞いてるの?」
「君たち、昼間も焼肉食べてたのに…」
と、いのちゃんと薮君にむしろ追い込まれる結果になる。
 

 こうして思惑通り、約6人にうんざりされながら、5万人を前に盛大なマウントをとることに成功した。

 君は俺に恋をすることだって、君が俺のものになることだって、きっとないのだろうけど、それでいい。

 内側から、侵食するように、君の中に俺がいることが気持ちいい。

 もっと、もっと、俺色に染まって。

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作者名:misto | 作成日時:2023年10月30日 20時

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