重症なのは？７ ページ11
「ごめん、俺次の仕事あるから、そろそろ行くわ。」
「俺も。さみしくなったらすぐ連絡して来いよ。」
�睫擇鯣蘋擇蠅法�続々とメンバーが帰っていき、俺と伊野尾を残すのみとなった。
病室が一気に静かになり、
「宏太と伊野ちゃんも、もう大丈夫だよ。２人とも疲れてるだろうし…。」
「疲れてるから、知念の寝顔見て癒されたいんだけどな〜。」
「え〜、伊野ちゃん、何言ってんのー！ぼくもう２８なのよ。」
「何いってんのさ。何歳になっても最年少っていうのは変わらないんだな、残念なことに。」
「あ〜、たしかに。ぼくはおじさんになってもかわいがられる運命なのかぁ〜。」
「そうそう。よちよち、寝ちゃおうね〜。」
二人でわいわい話ながら伊野尾が不気味に寝かしつけ始める。
点滴に鎮静剤も入っているからか、「やめてよ〜。」なんて言っていたのは本当に最初だけで、すぐに瞼が重たそうに閉じていき、やがて穏やかな寝息が聞こえた・
音を立てないように細心の注意を払って病室を出ると、やっと肩の力が抜けた。
「はあ〜、ひやっとしたね。お兄ちゃん。」
「ほんとだぜ、全く。助かったよ、いろいろ、起点聞かせてもらって。」
「いえいえ、当然のことをしたまでですよ。俺なんかより、やっぱさすがは最年長。頼りになる〜って感じだったよ。」
「ちょっと馬鹿にしてんだろ。」
「してないしてない。ほんとにお前のおかげで冷静になれたよ。」
軽口を言いながら病院のエントランスに向かう。エレベーターの前で足を止めて、
「頼りになるついでに、もうちょっと頼っちゃっていい？」
と伊野尾が言ってきたので、
「あぁ、もう最初からそのつもり。」
と言って、エレベーターに乗る伊野尾を見送った。
「悪いね。なんかあったら連絡してね。よろしく。」
「おう。おつかれ。」
エレベーターが下に降りていくのを見届けて、俺は今歩いてきた方へ引き返す。
人見知りな侑李のことだから、調子が悪くなった時、言おうかどうしようかとかってぐずぐずしそうだから、一人にしておけないからな。
…そんな過保護な俺たちの方が、だいぶ重症なのかもしれない。
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作者名：misto | 作成日時：2023年10月30日 20時
