◇8.消滅の令嬢 ページ9
A)「そう…そうだよ!」
微笑む“私”を見て私はこの子の為にここへ帰りたかったんだと気づく
──A・キャメロン…──
名を口にした時 全身のあらゆる感覚が震えた
喜びと微笑み
激しい憎悪
色々な記憶が流れ込んで染み込んでいく
頭痛がおさまる頃には私は全てを思い出していた
A)「大丈夫?」
貴)「ん…大丈夫 でも記憶が確かなら私は教会に
いたはず…」
A)「キャストが“A”を咄嗟にここへ送ったの 時間がないって思ったから」
貴)「(キャスト…あぁ あの黒髪で赤目の…)
時間?」
A「うん」
“私”が手を翳すと壁に教会が映し出された
私が檻の中で焼かれていた
カルがもがいて シエルが何か叫んで セバスチャン
は勢いを増す炎に少したじろいでいた
貴)「ｯ!!」
私は衝撃的な光景に口を覆った
カルは竜 弱っていて逃げられない上に体が丈夫
だから苦しいんだ…
A)「18年前と同じ…」
すると、火の粉が木製の椅子に燃え移った
忽ち大きくなる炎!
貴)「!?」
『あぁｯ…あぁぁぁｯｯｯ!!!』
貴)「カル!!」
より苦しむカルの姿に身を切られるような胸の痛
みを覚える
『セバスチャン!Aを!』
『いけません坊ちゃん!直に焼け落ちます!』
貴)「(シエル!セバスチャンも危ない…!!)もうや
めて…嫌…こんなの!」
A)「助けたい?」
え?
貴)「助けられるの!?」
A)「“A”を教会に戻すの」
私を?
貴)「でも戻した所で…」
私はカルと違う…きっと今頃は灰になっている
A)「大丈夫 “A”だけじゃない
私も“戻る”の」
貴)「…!」
A)「私と“A”で戻って キャストと
合流して“キャメロン”になる」
貴)「でも…」
私は躊躇った
みんなを救うためには戻ればいい…天使と悪魔の
力を使えればなんとかなる でも…さっきも思っ
たように人間としての私はもう“戻れない”
元に戻れば弱い人間が消える
天使 悪魔…どちらが主導権を握るのかは分から
ない だから躊躇う もし元に戻ったら私は本当に
───消えてなくなるんじゃないだろうか?
─『きっとあります』─
え…?セバスチャンの…声?
─『貴女にしかできないことが…』─
カルがいなくなってウェスト邸に戻った時の…
─『きっと…』─
今みんなを助けられるのは…私だけ
貴)「分かった…戻ろうA?」
A)「うん…ありがとう」
手を繋ぐと光が私をのみこんだ
──さよなら…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 119人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「黒執事」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒妃 - ラズベリーさん» ありがとうございます♪次回もお付き合いいただければ幸いです( ´∀`)/~~ (2016年2月14日 20時) (
レス) id: fe8ac84d9e (このIDを非表示/違反報告)
ラズベリー - とても面白かったです！お疲れ様でした！ (2015年12月5日 22時) (レス) id: 7d7fd385b9 (このIDを非表示/違反報告)
黒妃 - 紫杏さん» ありがとうございました(*´∇｀*)次回作も楽しんで頂ければ嬉しいです♪よろしお願いしますm(__)m☆ (2014年12月25日 17時) (レス) id: fe8ac84d9e (このIDを非表示/違反報告)
紫杏 - お疲れ様でした！とても面白かったです(≧▽≦)次回作も是非読ませていただきます！！ (2014年12月25日 11時) (レス) id: 01156b7467 (このIDを非表示/違反報告)
黒妃 - お茶っ葉さん» 楽しんで頂けて何よりです(／▽＼)♪是非次回作へお越しくださいませ(｀・ω・´)← (2014年12月24日 19時) (レス) id: fe8ac84d9e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
