◆黒執事◆～Soul in the mist 霧の中の魂～part1 (ページ8)

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◆8.疑いの令嬢ページ8

カルはやれやれ…というようにため息をつくと

粉薬を紙で寄せ集めた

カ)「新しいものをお持ちしますのでそれまでお待

ち下さい」

貴)「…いらない」

カ)「いります」

貴)「いらないって言ってるの!!」

カ)「…お嬢様どうなさったんですか?」

貴)「どうもしない…でも…カル…」

カ)「何でしょう?」

貴)「私に本当の事を教えて…」

うつ向いたまま呟いた

貴)「私は本当に病気なの?」

カ)「……はいお嬢様は生まれつき心臓g…」

貴)「じゃあ何て言う病気!?教えてよ!!」

カ)「お嬢様落ちついt「私は何も知らない…!!」」

息を荒く乱しながらカルに詰め寄った

貴)「屋敷の中に殆ど籠りっぱなしで…外に出られ

ても敷地内の庭や近くの小川までくらい…勉強だ

って貴方が私の家庭教師…他の家の子たちみたく

外からお呼びした先生には教えてもらえない…

私は…“屋敷”の狭い世界しか知らない…」

カ)「…お辛いでしょうがどうかご理解下さい

全て貴女を守るためです」

“守る”…?

貴)「カル貴方が嘘をつかないというのならもう

一度教えて…私は病気?」

カ)「はいさ…椅子に腰掛けてお待ちください

あまり呼吸を乱すと心臓にも負担がかかります」

貴)「そう…発作とかは一度も起こしたことがない

のに負担がかかる病気なんだね」

我ながら皮肉な言い方だと思った

カ)「何とでもどうぞ…では失礼いたします」

──ﾊﾟﾀﾝ…

カルの言うことはきっと本当…私は病気なんだ

でもそれは外に出ちゃいけないほど酷いもの?

私はブレアみたいにしょっちゅう床に臥せってる

訳じゃないそこそこ裕福な家の生まれなのに貧

しい人より不敏な気分だった

ベッドに寝転んでため息をつく

一瞬眠気が襲ったが頬をつねって振り払った

まだ寝ちゃダメだカルが飲みたくもない薬を運

んでくるから

でも考えたもしもいま眠気に身を沈めたら

私は明日ちゃんとここにいるのかな…──?

＜カリバンside＞

薬を片手に廊下を歩く

お嬢様に薬を渡したら明日の準備をしなければ…

昼前にはファントムハイヴ家へ赴かなければならない

──『貴方が嘘をつかないというのなら…』──

カ)「…」

頭をよぎる言葉

私が嘘を?ええ…つきません

──ｺﾝｺﾝ

カ)「失礼いたs…おや」

貴)「Zzz」

よかった…眠っているが動いてはいない

白い頬を撫でる

カ)「私は嘘をつきません…

貴女が私の言葉を信じる限りは…ね」