◆黒執事◆～Soul in the mist 霧の中の魂～part1 (ページ24)

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◆23.躊躇いの主ページ24

＜シエルside＞

セ)「おはようございます坊ちゃん」

シ)「ん…(-_＼)」

セ)「昨晩は遅くにご苦労様でした」

シ)「ならもう少し寝かせろ(-_-#)」

セ)「それとこれとは別坊ちゃんの健やかな健康

の為には規則正しい生活が一番…」

シ)「…Aは無事なのか」

セ)「ええ」

紅茶を差し出しながら答える

シ)「…そうか」

ぼんやりと昨日の夜の事を思い出す

…ガラスの割れる音が響いて目を覚ましてみれば

部屋の窓越しにAが走っていくのが見えた

灯りもない真っ暗な郊外の道を何の迷いもなく…

セバスチャンと共にAを見つけたのはロンドン

の路地裏で…一足先にいたらしいカリバンがA

を抱きかかえていた

足下に転がる死体…わずかに届く街灯の光に照ら

し出された血文字…

シ)「…新聞を」

セ)「こちらに」

＜路地裏の狂気!!実は三人目の犠牲者!?＞

セ)「やはり…昨晩お嬢様がいらしたのは以前ア

バーライン警部が仰っていた連続殺人事件の現場

のようですね」

シ)「(言いふらす間もなく露見したな…)←

だが三人目の犠牲者ということはミスト・ガー

デンへの地図の一片が手に入るだろう今日の予

定は?」

セ)「朝食後は一ノ宮社との商談…午後は帝王学

の権威、ユーグ教授がいらっしゃいます」

シ)「午後の予定はキャンセルだ少し出掛ける」

セ)「どちらへ?」

シ)「アンダーテイカーの所に三枚目のカードを取

りに行く」

セ)「坊ちゃんその必要はないと思われます」

セバスチャンが差し出したのはあの黒いカード

シ)「! なぜこれを…!」

セ)「昨晩お嬢様の手に握られていました」

Aの…?

Aは何の迷いもなくあの場へ向かっていた…

まさかあの路地裏で殺人が起こる事を知っていた

のか?夢遊病とはいえ…ん?

! まさか今回の被害者は…

────Aが殺したのか?

セ)「……ちゃん…坊ちゃん…坊っちゃん…!」

シ)「! 」

セ)「どうかなさいましたか?」

シ)「いや…ただ夢遊病の人間が無意識に殺人を

犯すということはあるか?」

セ)「どうでしょう?可能性は無きにしもあらず

と言ったところだと思われますが…もしや坊ち

ゃんはお嬢様を疑っておいでですか?」

シ)「…可能性の1つとしてだ」

セ)「早く真実をお伝えした方が宜しいのでは?」

シ)「…いやもう少し待つ」

何を躊躇う?

僕は…恐れているのかも知れない

真実を知ったAからあの笑顔が消えることを…