◆黒執事◆～Soul in the mist 霧の中の魂～part1 (ページ17)

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◆16.信念の執事ページ17

セ)「ｸｽｯ…」

カ)「?」

セ)「いえただ気にかかる言い方ですね

『ということにして…』…嘘でも吹き込んだかの

ような…」

カ)「嘘…ですか…人聞きの悪い事を仰る

例えどんな偽りもお嬢様がそれを信じれば皆真実

…思い込み1つで簡単に塗り替えられてしまう…

現実なんてそんなものでしょう?」

セ)「まるで洗脳ですね…呆れた…執事云々を問う

前に人間性を疑いますよ( -。-) =3」

カ)「貴方に言われたくありません

貴女は貴方の“美学”の下に仕えれば良い

私は私の“信念”の下にお嬢様を守ります」

セ)「主を欺くことが貴方の信念ですか?

ﾌｯ…))それはそれで立派ですね」

カ)「何とでもどうぞそれが人の道に反していて

も私には関係ありません

全てはお嬢様を守るため…
必要とあらば全てを嘘で塗り固めて見せる

私を正直者と信じるお嬢様への裏切りとなろうと

…彼女が形を持ち生きる限り私は共に在り続ける

その傍らに…必ず

“お嬢様を独りにしない”

それこそが私の信念です」

セ)「……籠の鳥は鳴くことを忘れる」ﾎﾞｿｯ

カ)「?」

セ)「貴方の信念を否定するつもりはありませんが…

籠の中の鳥は鳴くことを忘れます

鳴く必要がないからです」

カ)「何が言いたいんです?」

セ)「お嬢様はあらゆる事をお忘れになるでしょう

人が生きる上で必要なあらゆるものを…

強固な盾はその内側に在るものを脆弱にする

…貴方のその嘘は偽りの盾…

盾は優しさや正義感を表すと同時に恐怖の裏返し

とも言われますカリバンさん…貴方は何に怯え

ているのです?お嬢様を閉じ込め“偽り”の鎖に

繋ぎ隔離して何から“守る”“守る”と仰ってい

るのですか?」

カ)「…怯えてなどいません」

セ)「嘘…ですねただの過保護にしては割にあっ

ていませんよ?主を外界から切り離してしまい世

間知らずでか弱い存在にしてしまっても惜しくな

い理由…主を裏切っても守りたいものは何ですか?」

・・・

沈黙…やがて耐えきれなかったのかカリバンさん

は時計を取り出した

カ)「……そろそろお嬢様の薬の時間です

すみませんが失礼しますよ」

セ)「…分かりましたお引き留めして申し訳ござ

いません＾＾」

カ)「……こちらこそ…感情的になって申し訳あ

りませんでした…」

セ)「では後程」

カ)「…ええ」

──ﾊﾟﾀﾝ