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もうとっくに離れたのに未だに消えない柔い温度に心臓がざわざわする。思わず指で唇を触ったら、余計蘇ってきて脳みそ爆発しそう！
目が合ったけど肯定も否定もせず、ふわりと笑ったと思ったら、「かわええなぁ」とまた電池が切れたように机に突っ伏する正門さん。
佐「もぉぉぉ！！」
我慢の限界だとばかりに叫んだ晶哉が席を立って、無理やり正門くんをどかそうとする。
そしたらまっさんは私の肩に両腕を巻き付けて、「嫌やぁここ俺の場所やもん！」とわがまま炸裂。
佐「正門くんキャラ崩壊しとるから！」
正「ええねん！まさやぁ〜うるさい！！」
そう叫んだ後まっさんはさっと腕をほどいて、気付けば晶哉は両頬を強引に挟まれてちゅーされそうになっていた。
「嫌やこの人！！！」と全力で抵抗した結果ほっぺにちゅーされて、正門さんはそれで何とか落ち着く。
やられたぁ……みたいな顔でショックを受けてる晶哉と、ニコニコ満足そうなまっさん。
佐「Aちゃんだけちゃうかったぁ、この人誰でもいいねん！無差別や、無差別キス魔や！！」
リ「んはは、すんげー異名や」
『犯罪匂ぷんぷんするけどな』
正「ちゃうよぉ、みんなだけやもん」
出たリア恋おじさん。その“みんな”がメンバーを指してるのかそれとももっと広いのかは審議やけど。
でも「こっっわ」と冷静に呟いた大晴には笑ってもうた。
小「あ、これめっちゃ美味い」
佐「え、どれ？」
小「ほれ晶哉、あ〜ん」
佐「あ〜、ておい！！絶対そうやると思ったわ！」
末「ちょ、お前全部食うな！！」
気付けば周りはもう興味が料理の方に移ったのか、こっちは無視でみんな爆笑している。
目の前で繰り広げられるコントに私も笑っていたら、結局私の隣の席に落ち着いているまっさんが、しれっと私の膝に倒れ込んで腰に巻き付いてきた。
「ん？」と顔を向けたら、真下からこっちを見上げる彼と目が合う。
正「みんなじゃなくて」
天井から降り注ぐ照明の光を集めて、その眠そうに潤んだ目がキラキラ輝く。
正「……Aだけやもん」
みんなには聞こえない声量で呟かれたそんな言葉に、
『……へ？』
私の思考は二回目のストップをした。
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作者名：ぽて子 | 作成日時：2023年6月23日 19時
