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いつか大晴も言っとったけど、まっさんの“可愛い”は怖いねん。不意に言われる“好き”とかも、得体の知れない何かを感じてぞわぞわする。悪い意味とかでは絶対ないけど、100%いい意味とも言い切れへん。
正「ほんまに思ってんのに」
『やから余計恐怖かも』
正「そんなんどうしたらええのよ〜」
『やな訳ちゃうで？けど、まっさんにはっきり言葉にされるとなぁ、ちょっとダメージでかいかもしれんなぁ』
正「ダメージ言うてもうてるやん」
『あ』
別にそういう意味ちゃうって！と必死の弁明。
正「ほんなら行動で示すわ」
『うん？そうして〜』
行動？なんてちょっと疑問に思いつつも、まぁええかと適当に返事する。
そしたらむくりと顔を上げたまっさんの頬に、今まで腕の上に載せてたからくっきり服のシワの跡が付いていて笑った。
『んはは、まっさん、顔めっちゃ跡ついてるで！』
正「え、ほんま？」
ごしごし擦るから、それを止めようと思わず腕を伸ばして頬に手を添えたら、その手の上からそっと手が重ねられた。眠いからか、異常に熱い手のひら。
……ん？どした？
頭の中がハテナで溢れる私と彼の視線がぶつかる。
ほんでもって私の後頭部にも腕が回ってきて、ぐっと力強く引き寄せられた。
『え？』
瞬きすると、すぐそこに潤んだ瞳。アルコールと混じったいつもの柔軟剤の匂い。そして唇のあったかい感触が、たぶん三秒間ぐらい。
……時が、止まったかと思った。
「「「「「えぇぇぇぇえええ！？！？」」」」」
私より先に周りの五人が全力で叫ぶ。
びっくりするぐらいの声量で、きっと普段なら、うるさ！ってすぐ言うんやろうけど、今こんな状況で私の頭は完全に思考停止していて、そんな即座に言葉が出てこうへん。
末「何やってんねん！！！」
福「嘘やろ？！」
リ「さすがにそれはあかんて！」
小「まっさんやっとるわ〜！」
なんやみんなの声が遠い。やっと今何が起きたのか思考が追い付いてきたら、信じられなさすぎてびびった。
ま、まって？正門さん、え？今、
『……ちゅーした？！！？』
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作者名：ぽて子 | 作成日時：2023年6月23日 19時
