ミステイク・ラヴァー【 sh 】

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ショウおれのことわかった?






ショートメールが１件。名前を見ずに開いたけど相変わらずのひらがなで、誰かなんてすぐに分かった。" 出歩けない " や " マネージャー " というワードで芸能人なのかなって薄々感じ取ってはいたけど、彼に言われた " 平野紫耀 " で検索を入れたらおったまげた。




【 King＆Prince 】？！




そんな人と連日、電話のやり取りをしていたというの？
信じ難い事実に胸の高鳴りは募る一方で。




A平野さんキンプリなの?
A岸くんは分かる!




送った側から着信画面に切り替わる。
ほんとにもうすぐ電話してくるな、この人。




《 ちょっと待って岸くんは知ってるの？！ 》



〈 あ、うん友達がファンなの 〉



《 まじか〜悔しい〜 》



〈 ははは笑 〉



《 ……Aちゃん、》



〈 えっ…… 〉



《 って呼んでいいですか 》



〈 ……どうぞどうぞ 〉




さっき調べた平野さんの動画を見たら声がそのままだった。
急に改まって妙にドキドキさせてくるし、さすがアイドル。




《 だから " 平野さん " はやめて 》



〈 え？ 〉



《 紫耀ね、紫耀 》



〈 ……紫耀くん、 〉



《 ん、 》




満足そうに笑って、その日の会話は終わった。




朝早くから夜遅くまで、凄まじい仕事の量をこなす紫耀くん。
歌番組の生放送で出てきた時はテレビの前で息を呑んだ。




……ねえ、紫耀くん。私たち、このままでいいのかな。




紫耀くん明日オフ
紫耀くん会えませんか




そんなメッセージが届いたのは、初めて会話をしてから２週間が経った頃だった。登録名も変えたけど、日に日に紫耀くんはテレビに出ずっぱりで、本屋に行けば表紙を飾ってて、連絡が来るたびに、胸が締め付けられる。




会いたいのに会いたくない。会いたくないのに会いたい。
自分がアイドルなんだって素振りは一切ないから。
声を聞けば一瞬で気持ちが溢れそうになる。






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