ミステイク・ラヴァー【 sh 】 (ページ28)

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結局、ドラマ撮影がある永瀬くんと舞台で忙しい神宮寺くん以外のメンバーとご飯に行くことになってしまった。ばつの悪そうな紫耀くんも、もちろんいて。マネージャーさんは後から合流になっていたけど、なんだろう、この只ならぬ空気。

岸「葉山さん何にします？！」
　「あ、えっと、」
紫『…………Aちゃん、メニューこれ、』
　「あ、ありがとう、」

手渡されたメニュー表。
………ん？……あれ？え、今なんて？……ちょっと待って。

岸「………ちょっと待った！何そこ！いつの間に仲良くなってんの！」
海「………いきなりそう来たかぁ、笑」
紫『………あー、いや、えっと、』

向かいの席で目と目が合って、パチクリと瞬きが止まらない。隣の席の岸くんは慌ただしく私と紫耀くんを交互に見て、髙橋くんは全てを知っているのか察したように静かに笑った。

岸「え、待って、どういうこと？」
　「あの、ごめんなさい、私やっぱり帰ります！」
岸「え、ちょ、葉山さん！………おい紫耀！」
紫『………行ってくる』

居ても立っても居られなかった。騒つく心臓が音を立てて苦しくなった。追いかけてくる紫耀くんに手を取られても、立ち止まれなかった。お願いだから私の名前を呼ばないで。大好きなその声を聞く度に戻れなくなる。

「はなして、」
『Aちゃん、』
「…………もうやだ、」
『…………ごめん、』

ゆっくりと放された腕が震えてる。ごめん、なんて聞きたくなかった。ずっとずっと知らないフリを続けてきたくせに、そんなのズルすぎる。何の準備も出来てないよ。今だって。顔なんて見れるわけがない。ポロポロと流れる涙を拭って歩き出す。

あぁ、そうか。

あなたを好きになったことは、間違いだったんだね。

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