ミス・レディの逃避行 II【ONEPIECE】 (ページ39)

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８９．感謝を込めてページ39

ウソップside

出航当日の朝〈出航まで残り4時間〉

日の出前に目が覚め、出航の準備でもするかと起きあがる。

一番乗りだと思ったが、甲板にはすでに

ブラシをもって懸命に床板を磨くAの姿があった。

「おはようありがとな A」

「おはようメリーにもお世話になったお返しがしたかったのに、できることと言ったらこれくらいしか思いつかなくて」

「いやいや十分だ。メリーもすげェ喜んでるぜ」

出航前にメリーの最終チェックを始めると、
Aもギリギリまで手伝ってくれた。

メリーの輝きが増した頃、
太陽はすっかり顔を出していた。

Aside

出航の時、港からおじいさまと麦わらの一味を見送る。

彗星の如く現れた彼らは見返りなしに手を差し伸べ、
醒めない悪夢から救い出し、自由と夢を与えてくれた。

___ さみしい、そう顔に書いてあった

___ 話したくなかったらいいのよ。 話したくなった時に話してくれたらそれで

___ きみのためなら誘拐犯にだってなるさ！

___ “自由を手に入れる”かァ〜いい夢じゃんか

___ まちがいのない人なんていないから

___ Aさんが眠っている間ずっと近くにいるから

___ さみしい時は頼っていいんだぜ

___ きみにピッタリの素敵な名だ！！！

___ 愛されるべき女性(レディ)だ！！！！

出会ったあの日から
居場所となって、仲間として過ごした日々が駆け巡る。

笑顔で見送りたいと笑顔を作ろうとしても、勝手に涙が滲んでしまう。

どんな宝物よりもずっと大事でかけがえのないものの存在を教えてくれてありがとう。

みんなと出会えて、よかった。

Aは船尾が見えなくなってからもしばらく海を眺めていた。