５４．なにげない会話 -角煮- ページ4
サンジside
キッチンで料理本を眺めながら
今晩のメニューをどうしたものかと悩んでいると
いいタイミングでAさんが部屋に入ってきた。
「実は今晩のメニューを悩んでてさ」
「食料庫にある材料で作るから 作れるものは限られちまうんだけど…」
「なにか食べたいものはある？」
「本 見てみてもいい？」
「もちろん」
眺めていた本をAさんに手渡す。
するとペラペラとめくっていた手があるページで止まった。
彼女の方にまわりこんで 本を覗き込むと
見ていたのは 角煮 のページ
「お 角煮か！」
「しかし 豚肉はなかったな」
「ううん 見てただけ」
「遠慮しないで？」
「豚肉はじゃなくても ほかの肉で代用して作れるよ」
「それでもAさんがよかったらなんだけど」
Aの様子を伺い、サンジは優しく問いかける。
「……やっぱり食べたいな」
「もちろん！Aさんのためなら腕によりをかけてお作りするよ！」
「ありがとう」
さっそく準備に取り掛かろうとすると、
「サンジ君 お願いがあるんだけど…」
Aが控えめに申し出た。
蓋をした鍋のすき間から上がっている湯気と
それを見守る3人
匂いにつられてやってきたルフィの鼻はクンクンと動いている。
「んまほーー！！」
「まだ出来てねェぞ 向こうで待ってろ！」
「Aはここでなにしてんだ？腹減ったのか？」
ルフィは同じくとなりに並んで立っているAを不思議に思ったようだった。
「角煮を作るところ見させてもらってるの」
「作り方 覚えたくて サンジ君にお願いして」
「へェ〜」
「じゃあ いつかおれに作ってくれよ！」
「Aが作った肉 食ってみてェ！！！」
ルフィの言葉にAはうれしそうに笑った。
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作者名：NAV | 作成日時：2023年11月1日 22時
