７１．この海で生まれた ページ21
「少し長くなるが、聞いてくれるかい」
「Aの生い立ちについて」
「この島の東に位置した今は亡き港町 ブルームハーバーはAの故郷なんだ」
「22年前、わたしとAの両親は訳あって海軍に追われ、3人で “
「“
「この“
「Aが生まれ、一番最初にたどり着いたのがこの島だった」
「長い滞在は許されないと思ったが、町の人の計らいで海軍の目が届かない場所に匿ってもらった」
「そうして月日が経って、ブルームハーバーに腰を据え、酒場を営んで4人で暮らすことになった」
「そして 18年前のAが4歳の時、酒場で火事が起こってしまった」
Aの身体の火傷跡
知る者も知らない者も息を呑んで聞いていた。
「わたしは命拾いしたが、重症を負い、
Aは海軍中将である祖父 ハリーンに引き取られ、
わたし達はバラバラになってしまった」
「ウッドさん 一つ一つ整理させて」
「Aは航海中に海の上で生まれて、
この島に昔あった ブルームハーバーという町がAの故郷」
「もう一人の祖父の海軍中将にAは引き取られた」
「お嬢さんのおっしゃる通り」
「気になったことがあるんだけど、今から18年前、Aが4歳の時にって…Aの本当の年齢は…」
「Aは今年で22歳だ」
「手配書では18歳ってなってるわよね」
「わたし達 家族とAがともに過ごせた時間はAが4歳になるまでの4年間」
「
海軍に引き取られた日を0歳とした」
「だから 書類上 Aは18歳ということになっている」
年齢なんて関係ない。
Aが何歳だろうと AはAなのだ。
しかし、理由を聞くと、一概には言えない。
生まれてから4歳までの4年間を否定されたという事は…
つまり 家族と過ごした時間をなかったことにされた という事だ。
「あの
「どうか Aを救うために力を貸してくれないだろうか」
「もちろん はなからそのつもりだ」
サンジははっきりと言い切った。
それは一味全員の総意であった。
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作者名：NAV | 作成日時：2023年11月1日 22時
