ミス・レディの逃避行 II【ONEPIECE】 (ページ13)

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６３．絶望ページ13

Aはとある場所の暗い牢のような一室に閉じ込められていた。

柵の向こうからAを見下ろす人物

それはゾロとAの前に現れた海軍コートに身を包んだ人物と同一人物であり、

Aのもう1人の祖父
ミスティア・ハリーン海軍中将

ハリーンに連行され、ウッドおじいさまに会うことなく、幽閉されていた。

「おじいさまと会わせていただく約束では？」

一刻もはやく会いたい

危篤だと伝えられ、気が急(せ)いていた。

「まあ待て」
「4年ぶりの再会だ」
「ゆっくり話をしようじゃないか」

「私だってお前の“おじいさま”なんだ」

ハリーンはタバコに火をつけ、ふかした。

「話す事なんてありません」
「それにあなたは…」
「おじいさま(家族)じゃない」

「かわいげがない孫(部下)だ」

腕に押し付けられた熱の痛みに涙を流さずに耐えた。

—-

たとえ何年かかっても、ここを脱出して、みんなにすべてを話す。

これまでの人生
ミス・レディとは何者なのか

そして
本当のAについて

もういちど会って、すべてを伝えて、
そうしたらお別れだ。

彼らに甘えるのはおしまいにして、
もう二度と人に迷惑をかけずに、
ひとりで生きていく。

これが悩んだ末にたどり着いた決断だった。

腕に傷を増やされようが
何度傷つけられようが

自由は諦めない。

今回、こうして捕まったのはおじいさまに会うためだ。

いますぐにでも会いたいのに、
Aを拘束する鎖と錠が
ハリーンがそれを許してくれなかった。

—-

「テイラー・ウッド(おじいさま)はとうに死んだ」

ハリーンから告げられたのはAの決断を覆す
信じ難い絶望だった。