missing you...*Kyuhyun...

悪い癖。 ページ19

「………」

今のはー…なんだった…？

「キ…ス……」

キス…してた…。

わたし…。

たった数分前の出来事を思い返す…。

唇に、はっきり残るキュヒョンの感触…。

でもそれよりも…頭から離れないのは…

キュヒョンの…「しまった」…みたいな顔…。

「しまった」んだ…。

たぶん…。

だって…彼女…いるし…。

キス…したけど…。

したけど…してない…。

あれは…「キス」じゃない……。

だって…「あれってキスだったの？」って聞くことも出来ない。

わたしたちは、連絡先すら知らないんだから…。

お酒に酔って、たまーにおかしなことを仕出かすのは…大人の悪い癖…。

この夜…そう決めた。

忘れる。

そもそも、何にもなかった。って。

わたしとキュヒョンが会うことは、タイミングが引き起こす奇跡…。

だから、あれからめっきり会わなくても全然不思議じゃないし、

また、エレベーターでばったり会っても不思議じゃない…。

強がっても頭の中に余白が出来ると思い出すあの夜のキス…じゃないキス…。

唇の感触を忘れかけそうになった頃…。

『ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ…』

テレビもついていない部屋で一人ぼんやりしていた時。

「……？」

ドアの前…ドアに耳を当てて外の音を確かめてみる…。

「ヌナ…オレ……」

たった一言のその声を聞いただけで…
一気に心拍数が跳ね上がる…。

体は固まってるのに…勝手に動く手…。

鍵を開けて…ゆっくり…ドアを開けた…。

「……(汗)」

KH「…ぁ……」

ドアの隙間から、不安気なキュヒョンの顔が見えた…。

「……どーしたの…？」

KH「……友達の家…行こうって思ったんだけど……」

「………」

KH「ぁ……７階で…降りちゃっ…た……」

「………間違えたの？」

KH「…ぁー…間違えてはー…ない…＾＾(汗)」

「………」

KH「ごめん……」

俯くキュヒョン。

「……(汗)」

KH「ヌナに……会いたかった…だけ……」

「………」

そう言われて、ドキ…ってしてしまう、馬鹿なわたしの心臓…。

前回会った時に、キスをした男の人をこの時間…このタイミングに家に
上げることに抵抗がないわけじゃない…。

だからって、襲われちゃう…とか思ってるわけでもないし、
期待しているわけでもない…。

でも…ただ…

そう言ってくれた目の前にいる彼を…帰せないだけ…。

「……上がる…？」

KH「……ん……」

わたしが一歩下がったら、玄関の中に入って靴を脱いだ。

だから、言わなきゃ。→←もしも…。

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