成りきりトリッパーは親友の味方だってよ

遭遇 ページ32

新一を叱る蘭ちゃんに向かって

A『良いんだよ♠
ボクは堅苦しいのが嫌いなんだよね♦』

少し困ったような顔をする蘭ちゃん

蘭『で、でも…』

A『何なら、蘭ちゃんも呼び捨てにして良いよ♥』

毛利探偵はコチラを見てポカーンと開けていた口を閉めてから指を指し

毛利『Aだってぇ？
いやいや！アイツは男だ…！
よく見てみろ！女の人だぞ！？』

蘭ちゃんは小さくため息をついて

蘭『Aさんは女の人だよ、お父さん！』

新一がAの手を掴み

コナン『小五郎のおじさん
Aは女の人だよ
だって、指の長さとか見たことあるでしょ？
人差し指が薬指より長かったでしょ？
これは、女指って言うんだ
女性ホルモンが…』

と語り始めたため

A『コナン君…前、見てみなよ』

蘭ちゃんと毛利探偵はポカンと口を開けて固まっていた

コナン『って…テレビでやっていたよ！』

蘭ちゃんと毛利探偵は2回程瞬きをしたあと

蘭『なぁ〜んだ…
いきなり、語りだすんだもん』

毛利『ケッ…最近のガキはテレビしか興味ねぇのかよ』

冷や汗を滴ながら

コナン『えへへ…』

と笑顔で誤魔化す新一は目だけをキョロキョロさせてから

コナン『あれ〜Aのポケットから見えてる
ソレってなーに−？』

(ん？ポケット…ああ、これか)

ポケットから見えていた白いケースを取り出し

A『カラコンセットだよ
見せてあげる♠』

ｶﾊﾟｯ ケースを開けば漢数字の描かれたカラフルなコンタクトが並ぶ

蘭『す…スゴい
全部使うんですか！？』

A『うん、まあ…ね
あ、例えばコレとか…』

1つのカラコンを取り出し、左目に付けてから前を向く

コナン『…壱？』

左目には新一が言った通り漢数字の“壱”の字が浮かんでおり

蘭『色は同じなのに文字がある！？
え！？前見えるんですか！？』

蘭ちゃんは左目をジッと見つめ聞いてきた

A『ｸｸｸ…見えているよ♠
漢数字はよくテーブルマジックで使えるんだよね
トランプから1枚を選んで貰って
目に数字があれば驚くだろう？
今、こんな風にね♥』

スッ 手を伸ばし毛利探偵の胸ポケットに手を入れて中からトランプを取り出した様に見せて

♥の1が描かれたトランプを見せれば

毛利『な…な！？
いつの間にトランプが！？ええ！？』

ﾊﾟﾁﾊﾟﾁ 手を叩く音がする方を見れば

蘭『スゴい！！いつの間にトランプを入れたんですか！？』

口元に人差し指を当て

A『タネがバレてしまえば面白くないだろう？』

鉢合わせた2人→←新幹線

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