成りきりトリッパーは親友の味方だってよ

犯人は確定した ページ21

城田『デ、デタラメを…！？
継国さん、水野さん！
貴方達は見たはずですよね！？
三雲…いやチーフシェフが生きているのを！』

ﾆﾀﾘ と余裕の笑みを浮かべながら

A『いいえ♠
彼等は映像の通りに立っている、
チーフシェフを見ただけ♣
そろそろ、この推理を裏付ける証拠が歩いて来るはずだ♦』

ﾊﾞﾝｯ 個人厨房の扉が勢いよく開き

高木『換気扇に巻き取られていた
ロープを発見しました
後、ロープにはトマト果汁と血液の付着が伺えます！』

ロープを持つ高木刑事を見つめ

目暮『と、という事は！？
全員のアリバイが崩れたのかっ！？』

と言う声にザワザワとする
タレントとカメラマンは
"違う！私は犯人じゃない！！"と口にするが

A『皆さん、ここでボクが話した
いままでの手順を行い犯行に及べるのは
オーナーシェフである
城田勇司
キミだけなんだよね♥』

城田『なっ！？
凶器も無いのにどうやって殺すって言うんだ！！』

Aはオーナーシェフの方を向いてから
厨房わきにある戸棚を開き中身を物色する

A『犯人は犯行時刻と死亡推定時刻に誤差が出ないように直前になって犯行に及んだはずだ♠
凶器を捨てに行く暇は無かったはずだから』

血の付着した麺棒を持ち上げる

A『これが犯行に使った凶器で間違いないよね？』

ｶﾁｬﾝ コンロの火を止め

城田『はあ…もういいよ』

諦めたような発言を聞き

赤井『先程まで、粘っていたにも関わらずに随分と素直に認めるのだな…』

城田はスープ皿を取りだし、鍋からスープを掬い皿に盛る

城田『ヤツは俺の料理の邪魔をしたんだよ…
この究極の料理の素晴らしさが理解出来なかったんだ…』

オーナーシェフの目は血走りながら告げる姿に

ｼﾞｪｲ『全く、私には理解出来ないよ…
料理のためだけに、右腕である彼を殺害するなんてね…』

盛り付けたスープを見つめながら

城田『お前ら凡人にはこの素晴らしさがわかるまい…』

ｺﾞｸﾘ… 唾を飲み込むような仕草をした後

高木『いったい、その料理に何の秘密があるんだ…』

A『オーナーシェフの持つスープを分析すれば、わかることだと思うけど？』

オーナーシェフは身体を屈めながら

城田『数えきれない高級食材と共に
コカイン、モルヒネ、MDMA、各種麻薬に加えステロイド系テストステロン、ETA等の筋肉増強剤を精密なバランスで配合し煮込むこと７日７晩！』

オーナーシェフはコチラを向いた時
その手には注射器を持っていた

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