Oversight (ページ21)

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No way ページ21

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「今年、社内旅行復活するらしいよ？」

「え、どこなんですか！？」

「沖縄だって。」

「沖縄…！」

先輩に教えてもらった社内旅行の話。
旅行に行くのは好き。でも、1人は寂しい。
そんな状態のまま溜めていた沖縄の旅行誌を引っ張り出した。

「ここも行きたいし、ここも、ここも良い。」

行きたいところに付箋を貼りながら、
最終決定はあの子に任せちゃおうなんて考えて。

やっぱり、大橋くんと2人きりにさせてあげたい。
でもそしたら、私は丈一郎と2人きりになるわけで。

前と同じように話せるようになったといっても
どうしても2人きりは意識してしまう。

人としては好き。
同期としても、友達としても。
じゃあ恋愛対象としては、と聞かれたら
「うん」と言える自信はない。

『お前はその気なくても、俺はちゃうから。』

友愛的な意味だと勘違いさえさせてくれなかった。
彼はちゃんと恋愛的な意味で、好きと言った。

いくらそれを私が望んでいなかったとしても。

どちらかが違う感情を持ってしまった時点で
関係はいともたやすく変わってしまう。
それが恋人から友達へでも
友達から恋愛対象としてでも。

「…せっかく考えないようにしてたのに。最悪。」

寝ても答えは見つからなかった。
それでも私の中に「丈一郎と一緒に回らない」なんて選択肢は無くて。

つくづく自分は狡いと思った。