Oversight (ページ3)

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「おい、飲みすぎんなって言ったよな？」

「どーせ丈一郎送ってくれるし。てかそのために来てくれたんでしょ？」

…まぁ、そうやけど。

「なんでやねん。お前が店に迷惑掛けたら俺が来づらくなるからやわ。」

車で来てへん。
それは俺もコイツも家がこの辺やから。
大橋たちと解散して、一旦帰って
匂い気になるし消臭剤振って、また家出て、って

俺、わざわざ何してんねん。

もうかれこれ1年以上こんなことをしてんのに
当の本人は特に何も気にしてへんし。

気付くのといったら同期の小宮と同じ部署の大吾と
ちょっと付き合いの長い大橋。
いや、コイツらは妙にこういう類の察知が早い。
やからまぁしゃーないと、まぁ、うん。

本人に気付かれてへんのはもどかしくもあり、
バレたらバレたで誤魔化し効かへんし、
心の準備期間みたいな感じなんやけど

「…さっきの野球の話、やっぱ行く。1人は、寂しいでしょ。」

たまに揺らいで、
気付けよって言いたくなることもある。

独りが嫌なんはお前やろ。
なら、はよ俺のとこ来ればええのに。

「ん。じゃあ、昼過ぎに連絡するから準備しとけよ。」

「前日の夜から頼んだ。」

「トークでアナウンスしといたるわ。」

俺も素直になれへんからお互い様なんやけど。