Oversight (ページ17)

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「丈くーん、どうしたん？」

「朝からこの調子やねん。多分、藤さん関連やろ。」

「何て言われたん？昨日の余韻に浸ってるん？」

「…はっすん、流石に上手くいった感じちゃうやろ。」

「お前ら、うっさいな。」

あの後は
とりあえず2人で帰って、家まで送って。
その間、全く口はきかんかった。
何なら隣で寝たフリされてたような気もせんでもない。

ミスったか、
いやでもあのタイミングで言わんかったら
一生言えんかったかもしれんし。

にしても唐突すぎたか、

「…はぁ、」

「藤先輩、彼氏おらんって言うてたけどなぁ。」

「ならまだチャンスあるやん。」

ミスったけど、振られたわけちゃうし。

振られたんかあれは。
態度見た感じ、そうか。

「返事ないって、そういうことやんな。」

「…振られたんちゃうの？」

「返事聞くタイミング逃した。」

「なら別に振られたわけちゃうやろ。」

彼女持ちの大吾と絶賛アプローチ中の大橋。
俺よりも策士な2人は相談したら結構まともな意見をくれるけど、なんか年上として顔が立たへんというか。

助けてもらって付き合うっていうのは、俺のプライドが許さへんくて。

「大橋、そこの袋やる。」

「これ？あ、帽子やん。」

「それ、藤さんに渡す予定やったやつやろ。」

「え、それはあかんわ。丈くん、ちゃんと藤先輩に渡しや。」

…アイツ持ってるし。

何でも見透かされてダサすぎるわ。