Oversight (ページ14)

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「最近あるもんね、ラブホ女子会とかさ。そういえば友達が楽しかったって言ってたし。

あと、お風呂広いし良いよね！私も入ってくるね！」

明らかに挙動不審やけど。てか女子会とはちゃうやろ。
ただ、慣れてるわけちゃうんかって安心した。

「…はぁ、」

別に手出すつもりがあって連れてきたんちゃう。
たまたま近くにあったのがここってだけで。

やとしても、こんだけ意識されへんっていうのも中々のアレやな。
今のリアクションもどうせ恋愛的なやつじゃない方やろ。

燻ったまま2年。
つくづく"待ってても変わらへん"って事実に打ちのめされる。
出来れば向こうから、とか
そんなこと思ってたことも今は現実を甘く見すぎやったって分かる。

これでも前よりアプローチしてるつもりや。
ってこれも自己満足なんやろうけど。

「…好きや。」

ドラマとか映画とか
あーゆーベタなラブストーリーやったら確実にハッピーエンドが保証されてて。それがどんなに羨ましいか。

なんで現実は上手くいかへんのか。

「なにが？」

「…っ、お前」

「あ、すき家？近くにあったっけ、探そか？」

「…」

ここで誤魔化すのは簡単や。
それやのに、今ここでうやむやにしたら取り返しがつかんくなる気がした。

「好きや。お前が。」

「…へ、」

「お前はその気なくても、俺はちゃうから。」

言い逃げかのようにドアに手をかけた。