Oversight (ページ1)

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Lonely ページ1

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「すいません、ハイボールと唐揚げで。」

「はい！かしこまりました〜」

…今日も負けた。

今年だけで通算数十回目の合コンに負けた。
やっぱりモテるのは若い子に限る。

なんて言ってみたところで
そもそも目当ての男がいなかった。

昔は収入がーとか顔がー、学歴がーとか
そんなことを言っていたけど、時が経つほど
それだけで人を判断するのは難しいと思うようになった。

結局は性格だ。
でもその中身をたった1回の合コンごときで分かるものか。
そう思うとなかなか動く気になれず。
ズルズルとこんなことを繰り返す羽目になった。

いつか結婚はしたい。
でも周りに急かされるようにする結婚を良いとは思わない。というより、今じゃなくていい。
それなりに自由でいられる今が好きだ。

ただ、独りは寂しい。
誰かと共有したいと思うこともある。

「おっちゃん！とりあえずいつもの！」

「はいよ〜」

どこかで聞いた声が聞こえた、と思ったら
誰かが1つ席を空けて隣に座った。

…こんなタイミングで来るのはアイツしかいない。

「唐揚げもらうで。」

「…仲介役してた飲み会は？」

「大橋は寝とったし、小宮は酔い始めたし、送って解散や。」

「大橋くん寝ちゃったのかぁ、残念。」

せっかく誘えたっていうのに。

まっすぐ"小宮先輩の全部が好きです！"なんて言ってた彼のことを思い出す。

あの2人はきっと上手くいくと思う。

「で、お前の方は？」

せっかく違うことを考えていたのに
現実に引き戻されて、アルコールが少し抜けた。