【刀剣乱舞】元ヤンですが、なにか？４【一期一振】 (ページ10)

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百四十二ページ10

鬼神丸「…遥にとって、初めて分かり合えた女子…そうとう堪えたろう…」

鬼神丸殿は「主殿を任せた」と言い、素早く外へ出た。

一期「…遥殿」

握りしめている手に、そっと自分の手を重ねると、遥殿はボソッと呟いた。

遥「なんで」

と。

それはあまりにも悲しげな声で、思わず腕の中に閉じ込める。

このまま、彼女を世界から隔離できれば、こんなに傷つくことはない。

それができれば、どれだけ救われるだろうか。

一期「…遥殿…」
遥「…アタシ…なにか…したかな…」
一期「…いいえ、してません」
遥「…アタシ…雛が、わからない」

自分の胸元が湿っている。

声を押し殺して泣く遥殿に、どんな言葉をかけて差し上げれば良いのか。

思いつかない自分に腹が立つ。

そうしてしばらく過ごすと、遥殿は落ち着いた声で言い放った。

遥「…アタシ、雛と話したい」
一期「はい…」
遥「連れてって」
一期「…はい？」

顔を上げた遥殿の目には、僅かながら光が戻っていた。

一期「…今、なんと」
遥「アタシを雛んとこまで連れてって」
一期「なりません！！」
遥「なんでよ！」
一期「危険だからに決まってるでしょう！？」
遥「アンタ強いんだからアタシのこと守ってくれるんでしょ！？」
一期「強いですが無茶です！」

切り替えが早い様で、すっかりいつも通りになった。