百四十六 ページ14
一期「っ」
何とか外に出さなければならない。
出なければ、私はここで、折れる。
山姥切「…」
一期「…はぁ…はぁ…っ」
雛芥子「…っ」
切られた腕が痛む。
口の中も血の味しかしない。
足もガタガタだ。
でも、
遥『アタシと仲間たちを守れ!一期一振!』
彼女と約束した。
ここで折れるわけには、いかない。
何がなんでも!
一期「これ以上、好きにはさせ_____」
気を持ち直し、刀を構えた途端、目の前から山姥切殿が消えた。
…………消え、た?
一期「…え…えぇ…!?」
今一体何が起こったのか、頭を整理していると、隣にはいつの間にか遥殿が立っていた。
遥「おつかれ、一期」
一期「え、な…は?何が…????」
遥「アレ」
遥殿が指をさした方を見ると、そこには、今本丸にはいないはずの銃を持った彼の姿が。
「なんじゃあ、うちの主は扱いが荒いのぅ」
遥「あとでご褒美にカステラあげるから頑張って」
一期「…陸奥守、殿…?」
そう、そこにはつい先日、修行に行った陸奥守吉行殿の姿があった。
山姥切「くっ…」
一期「なぜ陸奥守殿が…」
遥「この前発見したの、なんだっけ…修行呼び戻し鳩?」
「きっと翼が残してくれてたんだわ」と、安心したようにほっと息を吐く遥殿。
遥「サンキュ、護ってくれて。でもここからだよ。あとで存分に手入れしてやるから、とっとと働け!」
背中をバシッと叩かれ、気持ちが落ち着く。
そうだ、いつまでも驚いている時間はない。
陸奥守「一期!」
一期「はい!」
護るべきものを、護らねば!
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作者名:桜海 | 作成日時:2019年1月31日 0時