番外編＊どれだけ傷つけば ページ40
ふっかと康二に誘われたファミレスでの新年会、という名の受験勉強から逃げる会。
その道中に見つけたのは、背の高い憎たらしいイケメン男。
そいつを見て思い出すのは、しばらく会っていないAのことだった。
渡辺「よ。」
目黒「…あれ？翔太くん？」
渡辺「おう。奇遇だな。」
目をぱちくりさせる目黒の隣にさりげなく並ぶ。
本当は身長差があるから隣歩きたくないけど、今日くらいは見ないことにしよう。
渡辺「どうしたんだよ、買い物か？」
目黒「あーいや、阿部ちゃんに呼ばれて。」
渡辺「は？阿部？」
これまた珍しい組み合わせだ。
目黒と阿部の共通点と言えば、Aの事が好きだったことくらいで…
…あぁ、なるほど、傷心を癒す集いってわけか。
それに気づいた途端何だか目黒が可哀想に見えてきて、そっと肩を組んでやった。
渡辺「好きな女とひとつ屋根の下で毎日過ごすとか、お前よく手出さないていられるよな。」
冗談交じりのそんな慰めに返ってきた言葉は、
目黒「手、出しましたよ。」
で、思わず大声を出してしまった。
俺が相当酷い顔をしていたのか目黒は大爆笑。
その笑顔に自虐が混じっているように感じるのは、きっと気の所為じゃない。
目黒「嘘。」
渡辺「っわ、焦った〜…」
目黒「手、出そうとしたけど無理だった。」
「ヘタレだわ、俺。」と静かに呟く目黒。
お前がヘタレなら、世の中の男はみんなヘタレだ。
それを言ったって、何一つ傷を癒せないだろうから言わねーけど。
佐久間といい、目黒といい、阿部といい…あいつといい。
Aはどれだけの男を虜にすれば気が済むんだ。
目黒の背中を見て、俺は少しだけあいつに腹が立った。
目黒「そういえばしょっぴーどこまで行ったの？バレー部のあの子。」
渡辺「なっ、誰がお前なんかに教えるかばぁーか！」
目黒「でた、5歳児。」
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桜海(プロフ) - acoさん» コメントありがとうございます！そう言って貰えて嬉しいですとても嬉しいです。次回作の時もよろしくお願いします！ (2020年12月20日 13時) (
レス) id: 7eb27f355d (このIDを非表示/違反報告)
aco(プロフ) - 完結おめでとうございます！終わってしまうのがすごく寂しいです。真っ直ぐな事って大事なんだなって改めて思いました！ごれからも応援しています！ (2020年12月20日 13時) (レス) id: fa0e891597 (このIDを非表示/違反報告)
桜海(プロフ) - 雪の王子様さん» ありがとうございます！これからも頑張りますので、今後もよろしくお願いします！ (2020年10月17日 21時) (レス) id: 7eb27f355d (このIDを非表示/違反報告)
雪の王子様 - 移行おめでとうございます！作品ずっと読ませていただいていますがとても面白いです！これからも頑張って下さい！ (2020年10月17日 20時) (レス) id: b4433ca6b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜海 | 作成日時：2020年10月16日 22時
