夜空に映える (ページ9)

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佐久間「あ！Aちゃん！」

翌日。

寝坊した蓮を置いて、昨日同様早めに学校に行くと、下駄箱のところで佐久間さんに会った。

佐久間「おはよう！」

あ、そうか、そういえば私この人と友達になったんだ。

すっかり頭から抜けてしまっていたらしい。

学校で朝に挨拶を返すのは、果たして何時ぶりだろうか。

少しむず痒い。

佐久間「？それ何？」

佐久間さんは、私の背中に背負った練習用の刀を指さす。

A「殺陣の練習用の刀です。」

佐久間「たて…？」

A「劇中の武器を用いた演技のことです。」

佐久間「あっ、あれそうだったんだ！」

なにか思い当たる節があるらしい佐久間さんは、スッキリした顔をしている。

A「では。」

上履きを履いて部室へ向かおうとすると、ぴょこぴょこと後ろから佐久間さんがついてくる。

佐久間「教室まで一緒に行こ！」

A「私は部室にいくのですが。」

佐久間「じゃあ部室行ってから教室行こ！」

A「はあ…」

なんだか、犬を拾った気分になる。