夜空に映える (ページ6)

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お昼休み。

黒髪の君事件(ふっか命名)から4時間ほどたった今でも、少し恥ずかしい。

けど、俺は未だにあの子のことを諦めていなかった。

…合わす顔はないけどなっ！

佐久間「はぁ…」

せっかく購買で焼きそばパンゲットしたのに、イマイチテンションが上がりきらない。

渡辺『あれ、目黒さんだよ。目黒…なんだっけな。』

名字と、演劇部に入ってるって情報は翔太から手に入れたものの、そこからどうしようか。

教室で話しかけるのはさっきのこともあってやっぱり気が引けるし。

翔太に繋いでもらうのも考えたけど、あの様子じゃ1回も喋ったことないだろうから、望みは薄い。

かといって廊下とかでばったり会うなんて＿＿＿＿＿＿

「…」

佐久間「あーーー！！」

「っ！」

いた！

思わず出た俺の大きな声にあの子は肩を震わせ、手に持っていたノートや紙の束が思い切り床に散らばる。

はい、今朝の事件を繰り返しました、佐久間さん。

佐久間「うわ、ごめんっ！」

急いで駆け寄り、紙の束を拾う。

ガサガサととりあえず纏めながら、目黒さんの顔を盗み見る。

長い髪を耳にかける姿とか、伏せた目とか…唇とか。

だんだんと思考が思春期男子相応のものになっていく。

「あの…」

佐久間「ぅえ！？はい！ナンデショウ！？」

声が裏返ったことは気にしていないようだ。

目黒さんの視線は俺の手元に注がれていた。

「それ、重ねる順番があるので…」

佐久間「………」

本当に申し訳なくなった。