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大会当日。
部活終わりに、同じ部活の後輩である理央と会場にやって来た。
理央は彼氏が出るからか、部活終わりなのを感じさせないほどテンションが高い。
理央「A先輩、ダンス部に興味あったんですね!」
A「まぁ…友達がいるので。」
理央「もしかして佐久間先輩ですか?ラウが言ってました!」
A「そうですね。あと岩本くんも顔見知りで。」
理央「美人の周りにはイケメンが集まるんですねぇ〜。」
野外に立てられた仮設のステージ上では、既に他団体がパフォーマンスをしている。
佐久間くんの踊る姿は見たことがない。
理央曰く「狩られる!」らしい。
猟師という佐久間くんの新たな一面が見つかった。
理央「じゃあもしかして、佐久間先輩のおかげですか?」
A「おかげ、とは。」
理央「最近先輩変わったの。」
変わった。
悪い意味だと嫌だけど、彼女の顔は嫌そうではない。
裏表のない笑顔を浮かべながら、理央はステージに目線を向けた。
理央「出会って2ヶ月も経ってない私が言うのも変ですけど…なんか、雰囲気が柔らかくなったというか…上手く言えないんですけど、明るくなりましたよね。」
A「そう、でしょうか。」
理央「そうですよ!みんな言ってますよ、部長最近やばい!って!」
A「やばい…」
やばいの真意が気になるが、それは気にしないことにする。
私の中に変化が現れた要因は、思いつく限り佐久間くんの存在しかない。
私が変わったのが本当なら、彼女の言う通り佐久間くんのおかげかもしれない。
理央「ふふ、笑ってる。」
A「笑って、ました?」
理央「はい!もー私A先輩まじで好きです!可愛い!大好き!」
A「ありがとうございます。」
理央「あ、ラウだ!」
理央の目線の先には、にこやかなラウちゃん。
それと、メイクやヘアセットをしている、普段と雰囲気が変わった佐久間くんがいた。
A「…がんばれ。」
彼が笑った気がした。
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作者名:桜海 | 作成日時:2020年7月5日 0時