夜空に映える (ページ36)

今日:6 hit、昨日:2 hit、合計:46,611 hit

３６ページ36

星が輝き始めた頃、ようやく料理を食べ終わり、私の誕生日パーティはお開きになった。

渡辺「じゃーな！明日学校で！」

岩本「ふっか、これからタピオカ買いに行こうぜ。」

深澤「えー？いいけど…つかこの時間に店やってんの？」

宮舘「お邪魔しました。」

4人は方向が同じらしく、仲良く会話をしながら帰っていった。

阿部くんはラウールくんに勉強を教えるから、と、駅前のファミレスへ。

向井くんは、蓮に送ってもらうそうだ。

ちなみに琉生はリビングで寝落ちしていた。

佐久間「今日ありがとうね。」

A「こちらこそ、ありがとうございました。」

佐久間「めっちゃ楽しかった！」

ぴょんぴょん跳ねる佐久間くんは、本当に疲れ知らず。

岩本くんが言っていた体力オバケの意味が理解出来た。

佐久間「…ね、Aちゃん。」

なんて思ってたのに、急に静かになった佐久間くん。

佐久間くんの雰囲気につられて体が少し強ばる。

佐久間「これ…」

差し出されたのは、小さな紙袋。

中には花の綺麗な装飾がついたヘアゴムと、それとお揃いのピンが入っていた。

佐久間「安物だけど…それ、似合いそうだなって思って。」

A「…」

佐久間「俺からの誕生日プレゼント…です。」

体がポカポカする。

どうしよう。

今日1番、嬉しく思っているかもしれない。

佐久間「あっ、もしかして好みじゃなかった！？それなら無理に使わなくても、」

A「まっ！毎日！」

佐久間「ぅえ！？」

A「…毎日…つけます、つけたいです…」

こんなに声を出すなんて、部活以外で久々だ。

でも、応えたかった。

いつも優しくしてくれる彼に、少しでも。

嬉しいことを、感情を表に出すのが苦手なりに伝えたかった。

A「ありがとうございます…佐久間くん。」

もうとっくに、私の中で彼は “ トクベツ ” な友達なんだ。