夜空に映える (ページ4)

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教室までついて行くと言い張る蓮を何とか振り切り、自分の席に着く。

挨拶を交わすような友達もいないので、私の朝は周りに比べると静かなものだ。

眼鏡のズレを直し、教科書と自習用のノートを取り出す。

いつもより早く来たからか、ちらほらとしか生徒がいない。

その中でやる勉強ほど捗るものはない。

A「…」

後で先生に聞きに行くところ、躓いたところに付箋を貼りながら解いていく。

時折カバンの中の携帯が震えているが、今までの経験上蓮である確率が多い。

大した用事だった試しがないから、とりあえずキリのいいところまでは放っておくことにした。

A「…」

気づけば周りには朝練終わりの運動部の人々や遅めにやってくる、いわゆる陽キャの人々がいた。

集中出来るか不安だが、楽しそうな会話をバックにやる勉強も悪くは無い。

青春を過ごしていると感じられる数少ない時間のひとつだ。

なんてことを考えていると、誰かが私の机にぶつかり、筆箱や何やらが散らばってしまった。

「あっ、悪ぃ！」

A「いえ。」

落ちた物を拾おうと屈む。

周りの人が拾うのを手伝ってくれたようで、あっという間に全て拾い終わった。

A「ありがとうございます。」

頭を下げて、着席する。

するといきなり、誰かが私の机をバンッと思い切り叩いた。

驚いたのは私だけでなく、教室にいる人々全員がこちらを見て様子を伺っている。

それに気づいているのか気づいていないのか。

いや、恐らく気づいていない目の前の彼は、真ん丸の目と金色の髪をキラキラと輝かせて言い放った。

「会えた！！」

と。