【刀剣乱舞】元ヤンですが、なにか？【一期一振】

十三 ページ14

《…》
遥「苺？」




苺って、果物守ってどうすんの。

そう聞こうとしたけど、霊の顔を見たら言えなかった。


自虐したような笑み。

能天気に見えるけど、こんな顔するんだ。

もしかしたら素はもっと弱くて儚い人なのかもしれない。




《…遥ちゃん、通訳頼める？》
遥「え、あ、うん」
《私の一挙一動完コピで！》
遥「は？やだ」
《即答！！》




この人達は苺が大好物だったのだろうか。

そこでふと、こんのすけに貰った資料に書いてあったことを思い出す。




＿＿先代審神者死亡後、一期一振は塞ぎ込み＿＿




…一期一振の事か。




《鶴丸、一期さんは今どうなってる？》
遥「アンタの主？前の主？が一期さんはどう？って」
鶴丸「…君と薬研が居なくなってから塞ぎ込んでな。自分のせいだと責めている。今では君の霊力切れで刀に戻っているが…寝ず食べず動かず話さず…目も当てられない」
《…そっ…か…ごめんね、本当に》
遥「…」




一期一振、か。




鬼神丸「…鶴丸殿は、その一期殿という方と仲がよろしかったのか」
鶴丸「…あぁ。少なくとも、俺にとって一期は唯一無二の親友だ」
鬼神丸「…そうか」




鬼神丸は、その事を確かめたかっただけなのか、目を閉じて動かなくなってしまった。




遥「…あーもー…」
鶴丸「…？」
遥「やっぱり、通訳めんどい」
鶴丸「は？」
《え？》

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